LONG fast
□MP:8 スタート新生活
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「そー言えばさっき言いそびれてた。足、大丈夫?私の魔法当たってたよね」
「え?ああ、全然大丈夫だよ。怪我っていう程のものでもないから」
「そっかよかったー。本当にごめんね?」
「ううん」
気にしないで、と手をひらひらと振る凛
あの時は確かに少し痛かったけれど今は全く気にならないのは本当だし、
それよりも友人が出来た事のほうがはるかに大きいのだ
「んん…」
「あ、大賀。気がついた」
「ああ、っておま!何泣いてんだ!?」
ようやく目を覚ました九澄に近づく凛
その薄茶色の目に涙がたまっている事にびっくりした
するとニッコリ笑って彼の血だらけの手を取る
「大賀のおかげだよ。ありがと」
「??」
良く分からないけれど、とりあえず愛花とも和解できたし、凛が笑ってるのでまぁいいかと思う九澄だった
そして放課後―
「はい」
「おースゲー。一発じゃん」
「急ごしらえにしては上出来でしょ」
先程の一件で皮がむけてボロボロになってしまった九澄の手
慌てて凛が入力した魔法によって見事に元通りになった
「応急手当(ファーストエイド)。大賀すぐ怪我するからこの魔法は結構役に立つと思う」
「悪いな」
「んーん、今日はやっと友達出来たからご機嫌なんだ」
昔っから引っ込み思案で人見知りな凛
今までは九澄がいたおかげでそれなりにやって行けてきたが、
一人で入学。おまけにゴールドプレートになった瞬間周囲に距離を取られてしまっていたので全く友人が出来なかった
「話しかけてくるのって魔法バトル目当ての人ばっかりだったし」
「く、苦労してたんだな」
友人作りに困った事のない九澄には分からない苦労であるが
「それと、柊先生から伝言」
「いい!?」
柊、という名前にビクリとする九澄
あの時は緊急事態だったとはいえ思いっきり足蹴にしてしまったのだ
ただでさえ嫌われているのに
「明日は朝6時に学校来い、だって」
「はぁー!?家から1時間半かかるんだぞ!それなのに6時って…」
「まぁまぁ。わたしも付き合うから」
一体何をするのだろう