LONG fast

□MP:4 御挨拶ライブラリィ
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「驚かせてごめんね。僕はF組の大門高彦」
「は、はじめまして…」
「…なんでそんなに距離取ってるんだい?」

そんなに危ない人に見えるかな?と聞いてくる大門に首を振る凛

「その…わたし、人と話すの、苦手なんです」
「へー。ゴールドプレートなのに」

(それは関係ないと思うけど)

とりあえずもう少し間合いを取ってほしいという凛の想いは汲み取ってくれたのか机を挟んで正面に座ってくれる彼
だけど目だけは一瞬たりとも凛から離れる事はなかった
真っ直ぐと見てくる大門と、視線を反らしがちな凛
これじゃどっちがゴールドプレートなんだかわかったもんじゃない

「凄いねー、普通の1年生はまだ魔法文字も完璧に詠唱出来る人が少ないのに」
「それは…」

9割方鬼コーチの指導の賜物だと思うのだが。あとは過去の記憶
だけど一々それを告げられるほど度胸ある奴じゃない

「何?」
「えっと…その……」

段々と語調が弱くなっていく凛を呆れ気味に見る大門
ああこの視線は昔から良く知ってる
この引っ込み思案な性格の所為で何人もの友達をつくりそこねたから

「あのさ加水、言いたい事はちゃんと言った方がいいよ?
 じゃないと余計な誤解招いたりするし、自分だって辛いだけじゃないか」
「……はい」
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