LONG fast
□MP:30 憂鬱魔法バトル
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「な、なんだと!?」
もう一人の男子生徒と、女子生徒が慌てて自分のペイントボールを確認する
A・Cである男子のボールが光っていると言うことは彼女はすぐ傍にいる筈なのだが…
ヒュオッ
「うわっ!!」
いきなり背後に現れた凛に思わず後ずさる
しかし時既に遅く、見事ペイントボールは割られていた
「なんで!?」
「こっちはS・C…ノーム!!」
凛のプレートが光って、S・Cの彼女の足元だけ泥沼のように溶けた
重力に従って彼女の体が沈み、体の半分くらいが見えなくなった所で元に戻る
「な、なによコレ…動けない」
どれだけもがいてもビクともしない大地に体に戦慄が走った
彼女の目の前に華奢な脚が見える
見上げると、冷たい目をした凛が黙って見下ろしていた
(な、何なのこの子!!)
ゴールドプレートの加水凛
だけど実際の本人はただのビビりな小心者
人に囲まれるとダッシュで逃げる
だからこそ大人数で攻めれば勝てると思っていた
だけど彼女はそう甘くない。
「加水さん」
「…あ、影沼君。ちょうどよかった。S・Cの人捕まえたの。ボール割ってくれるかな」
彼女の後姿が見えて、声をかけたら振り返った凛
その笑顔がどこか悲しそうなのは気のせいだったのだろうか