LONG fast
□MP:29 ティアドロップス
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「そーいや凛もいつもコンビニとかだよな」
「うん…私家から学校遠いからただでさえ早起きしなきゃいけないし…
早起き苦手なんだよね」
あははと苦笑する凛
ただでさえ低血圧の自分はお弁当を作る余裕なんてない
ましてや居候の身で昇華に頼めるはずもないし
「料理はするの?」
「う゛…実はあんまり」
空手の練習は好きだったけど料理とかの才能はからっきしである
「だから羨ましいな。愛花ちゃんが」
「まーあいつの料理の腕は一級品だからな」
「わたしも練習しなきゃ…以前大賀にカレー作ってあげたらそのまま2日くらい目覚まさなかったんだよねー」
はぁ、と溜息をつく凛
…に対して硬直する三国と乾だった
(こ、今後凛の作ったもんは食べねーようしによう)
(うん……)
なんて会話をしていると……
「食えるか!!!」
九澄の怒鳴り声が聞こえて来た
あやうく落としそうになったおにぎりを慌てて持ち直しながら振り返ると明らかに傷ついた表情の愛花
渡した弁当箱を取り返すと一気に走りだした
「愛花ちゃん!?」
森に向かって駆ける彼女を慌てて追いかけた
後ろで九澄の悲鳴が聞こえたような気がしたけど今はそれは置いとくとして
「愛花ちゃーん!どこー?」
バキバキバキッ
突如聞こえた木の倒れる音
まさか彼女が倒したとは考え難いがとりあえずその音の方向へと向かう事にした
(あ、いた)
やはりそこにいたのは愛花で、
それと他に男子生徒が数名…
(大門君…って事はあの人達、F組?)
だけど何だか不穏な雰囲気…