LONG fast

□MP:28 熱血!クラスマッチ
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「でも、どうしよっかなあ」

てくてくと山の中を歩き続ける凛
九澄と行動しようと思ったのだが焦って一人暴走した彼に置いてかれて結局単独行動に
基本はA・CとS・Cがコンビで動く、という作戦も最早意味をなしていなかった

とりあえず人気のない所に座って考える
まず自分と九澄の事だ
ゴールドプレートにそうそう近づく生徒はいないと思っていたけれど18点は大きい
ましてや二人も。九澄と自分が倒されればゲームオーバー

ぴくっ

ふと遠くから人の気配を感じた
それも物凄い速さでこっちに向かってくる

(どっちだろう…)

岩陰に身を隠しながらその人物を見る
やがてゆっくりとシルエットが見えてきてすぐに気を緩めた

C組対D組のバトルでスケボーを使っている人は一人しかいないからだ

すぐにぴょこんと頭を出した

「加水!丁度いいトコにきた!ちょっと来てくんねーか!?」
「う、うん!」

そうすれば早速凛の姿を見て手招きする津川
何でも向こうのA・CがC組のK・Cに接近中らしい

「今ウチG・Cしかいなくてよー!急ぐぜ!」
「ま、待ってー!!」

いくら凛の足が並みの女子より速いと言えど魔法で強化したスケボーに生身で追いつけるはずもなく、
たとえ魔法を使ったとしてもスピードキングと称される彼に追いつくなどできやしないだろう

「あ、そっか。でも急がねーと…」

うーんと考える津川
そして徐に凛に近づくと

「舌噛むなよ」
「え?っきゃあああっ!」

いきなり腕を引っ張られたかと思うといつの間にか視界は反転
津川の体操服でいっぱいになった
抱きあげられたと気付いたころには彼のスケボーは走り出していた

「韋駄天號!!」

(はっ速い速い怖いいいいい!!)

異常な速度で切り替わる視界から逃げるように固く眼を閉じ、ただ何かにしがみついた
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