LONG fast

□MP:27 水辺の天使
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「やっぱウチのクラスで一番は三国だな」
「ああ。B組時田にゃ負けるがかなりいいよなー」
「でも何気に加水も胸でっかいよな」

伊勢の言葉に男子の大半が反応した
九澄は逆に眉根を思いっきり寄せる
食いつく堤本

「え?マジ!?どっちかっつーとねぇと思ってた」
「いーや俺の見立てではありゃ三国並みだな。着やせするタイプだろ」
「どうなんだ九澄!?」

いや、聞かれても困る
家族をそんな目で見た事無いし
だいたい

「目の前で家族のそんな話聞きたくねーよ」
「えー」
「家族っても従妹だろ?そういうの興味ねーのかよ」

ブーイングの嵐。何故こんな展開になるのだろう
従兄と言われてももうずっと一緒に暮らしているから妹ぐらいにしか思えないし

「あの…そろそろ時間」
「あ、ヤベっ!!」

突如聞こえた控えめな声に全員が時計を振り返る
そろそろプールに行かないと体育教師に怒鳴られる時間になっていた
慌てて着替え始める男子達。と言っても男の着替えは早いものだが

「サンキュ、影沼」
「いや…」

あまりに聞くに堪えなかったから、と言う彼
顔はほんのり赤くなっていた
ああ、と苦笑する九澄

「行こーぜ」
「うん」
「…あれ?でも凛のやつ、水泳は…」

九澄が思い出したように言うけれど
すでに自分の欲望丸出しの男子共はそれを聞く事無くプールサイドへと直行しているのであった

「急げ!」
「女子が来る前に待機しとけ!!」

全く、男子高校生とはバカな生き物である
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