LONG fast

□MP:26 モザイク色恋心
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「いっ…俺を外すなって言われた?」
「わたしも!?」

職員室で柊から聞いた言葉は衝撃的なものだった

「他のクラスの生徒からそのような意見が出されては。
 要はどんな形でもお前達はC組の一員なのだから故意にメンバー選びから外さないようにという事らしい」

はぁ、と息をつく
どっちかというとゴールドの2人を出すなと言う要望ならわかるがその逆だなんて…
どんだけ正統派なんだ

「お前達を外したC組に勝手も嬉しくない。正々堂々とした勝負をしたいんだそうだ。ご丁寧に各クラスの委員長の署名までつけて来た」

ほれ、と見せた紙には用意周到にもC組以外の全クラスの委員長の署名が確かにあった
(どこのハンカチ王子だ爽やか過ぎるにも程があるぞ)
(ハンカチ王子って…)

今はハニカミ王子…むしろこども店長の時代だろう

「こういう意見が出てしまうと理由をつけてお前を外すと逆に勘ぐられてしまいそうだしな。ま、しっかりやるんだな」
「待てよそりゃね〜って!」

しかもその意見を出してきたのは…

「F組の大門だぁ?見た事もねぇヤツが何でそんな事言ってきてんだよ」
「大門君かァ…なら納得かもー」
「知ってんのか?」

ちょっとだけ話したよ、と言うと驚かれた(失礼な)
まぁ話したというより話しかけられたが正しいのだが
しかもきっかけはやっぱりゴールドプレートだし

「頭いいみたいだし魔法の成績もいいみたい」
「ふーん…俺とは正反対だな。他には?」

あとは何も知らないし
そーいえば色々と質問された事はあったけど大門自身の事は凛は何も知らない
だってそんな事聞ける度胸ないし

『私がどんな奴が調べてきてあげよっか?』
「お前は変なマネしなくていいっつーの」
『もっと大賀の役に立ちたいの〜〜』
「一途だね、ルーシー」

ふふ、と笑う凛
うんと思いっきりルーシーが頷いた

『自由をくれた大賀のためなら何でもするわよ私〜!尽して尽して将来は裏山に2人の家を建てて大賀の老後の世話をするのが夢なの』
「まーた訳わからん事を…」
「素敵な夢だね」
「役に立つのはよくわかったから、必要ねえ時はおとなしくしててくれよ」

九澄の牽制に不服そうな顔のルーシーだったが
彼に嫌われては元も子もないのでとりあえずは従うだろう

「しかしクラスマッチはどーしたモンかな…柊みてーに消える魔法でもありゃーどっかに隠れてられんだけど…」

ずっと凛の魔法で隠れているわけにもいかないし
そんなことしたら自分が魔法使えなくなってしまうし

『姿見えなくする魔法植物なら心当たりがあるけど』
「「ウソ」」
「そんな植物があんのか!?どこ生えてんだ?」
『確か薬品部にあったよ。夜中見かけたんだ』

(んんー…そんなのあったかなぁ)

「やるじゃねーかルーシー!うひょー助かるぜ」
『ホント!?喜んでくれるの??待っててー今とってくるから♪』
「頼むぜ」

まぁ喜んでるルーシーに水を差すのも気が引けるし
しばらくは様子見でいいだろう
そう思って教室に戻った
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