LONG fast

□MP:23 独立ノースサウス
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「ほんっと、朝から走らされるよね執行部って」
「マジ勘弁だぜ。昨日の探検で超筋肉痛だってーのに」

朝っぱらからばたばたと廊下を疾走する九澄と凛
支部長直々にお呼び出しをくらったのだ。急がないわけにもいかない
昨日の所為で色々と疲れてはいるけど

「昨日はあの後柊父の説教のおまけ付きだったしよー。俺たちゃあの薬品部の部長に行かされただけだってのに」
「まーまー。でもおかげで誤解はとけたんだし、ね?」
「まぁな」

しかし昨日は本当に大変だった
何せ親バカ
普通の生徒が西隠れの洞窟に入ったというだけでも怒られるのに愛花を連れて行ったのだから
普段の説教よりもしんどかった

「あ、九澄。加水さん。お、お早う」

と、声をかけて来たのはショートカットの見慣れぬ女子
いやでもどこかで見たような…
あ。

「えと、誰だっけ?」
「あ、もしかして観月さん?」

2人してそれぞれの反応をかえす
彼女は九澄の問いが気に食わなかったようだが

「あーホントだ。昨日の今日で髪切ってんだもん。わかんなかったぜ
 どしたんだ?」
「可愛いよーすごく似合ってる」

と言いつつ隣の従兄にあきれる凛
まったく、もう少しものの言い方を考えられないものか

「へ、変かしら?」
「知らねー。おめーの外見がどー変わったところでなァ…」
「ちょっと大賀!!」

流石に、と思った凛が九澄の服を引っ張って諌めるのだが、
それより先に観月ががなった

「なによ!!失礼ね〜もちょっと言い方ないの?
 だから男ってのは!!」
「ほらいっしょじゃねーか」

と、不意に九澄の言葉に怒りを削がれた

「見た目が変わっても観月は観月だろ?イイトコがなくなった訳でもねーもんな」
「(うわーくっさい台詞)」

だけど彼女には効果抜群だったようだ
一気に顔を真っ赤にして逃げるように去っていった
全く、九澄との付き合いは長いけどこればっかりは凛もいまだに慣れない

「どしたんだ?あいつ」
「いやね…大賀…」
『クサッ』

え?と思った次の瞬間
九澄の頭に何がが落っこちて来た

「痛っ!!何だよ」
『クッサ〜』

突如聞こえる女の子の声
きょろきょろと周囲を見渡すと…

「だ、誰?」

人形のような少女がぷかぷかと浮いていた
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