LONG fast

□MP:22 マンドレイクの変革
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ポウッ

すたんっ

いきなり空中に投げ出されて一蹴慌てるけれどなんとか着地
本当に洞窟のすぐ傍に出て来たようだ

「愛花ちゃん、観月さん。大丈夫?」
「んも〜なんて自分勝手なヤツなの!?私達の意見聞こうともしないで
 これだから男はキライよ。どーせ自分の考えを押し付けるのがカッコイイとか思ってるのよ」

怒りが沸点にまで達している観月
まああんだけ乱暴に放り出されれば怒る気持ちも分からないでもないが

「まさかあいつ適当な理由をつけてホーレンゲ草を採ってこない気じゃないわよね
 私にだきついたのが草のせいじゃないってバレないように…」
「九澄くんはそんな卑怯な事しないよ!!一人残ったのだってきっと私達の事考えてだろうし。観月さんに抱きついたのだって…本意じゃなかったんだと思うんだ
 そりゃ…私も疑っちゃったけど…九澄くんはそんな軽い人じゃないと思うの」

(ふふ。大賀がコレ聞いてたらすっごい喜ぶんだろーな)
愛花にこれだけ思われてれば本望だろう
ついでだし更にフォローをしとくべきか

「大賀は女の子は勿論、子供やお年寄り、弱い人を傷付けるようなことは絶対にしない人だよ。この洞窟が危険だってわかってたから無理矢理にでも一人で残ったんだもん
 やり方は強引だけど…それだって一番自分が魔法も体力もあるからだって冷静に判断したんだよ
 勿論魔法も体力も劣っていたって誰かに任せるような事はしないヤツだけど」

にこ、と笑ってそう言えば少しだけ顔の赤くなる観月
何か色々考えてるらしい。全部顔に出てるけど

「あいつの事美化して考えすぎなんじゃないの?」
「そうかもしれないけど私は九澄くんの事信じたいの。観月さんにも少しでいいから信じてあげて欲しいんだ」
「わたしは美化する程付き合い短くないし…」

さて、彼はそろそろホーレンゲ草を手にしただろうか

「おーいお前ら」

ふと現れた2つのシルエット
それは魔法薬品部の部長と教師だった

「部長」
「あんまり遅いから様子見に来たんだよ」
「何かあったのか?」

と聞かれたので今までの経緯を簡潔に説明する
2人に大いに驚かれてしまった

「洞窟の中に入ってったのか!!?どーりで戻ってくんのが遅いはずだ。心配んなって来てみたんだが…」
「だって部長サンの地図洞窟までの道しか描いてないからてっきり中に入るんだと…」

あの地図じゃ全くわかんないし

「何言ってるちゃんと場所は描いたぞ?正確なる道案内(ミリオンロードマップ)」

どーやら魔法で地図を描いたらしい
先程と全く同じものが出来あがった

「地図は魔法で描いたんだ。1Mのズレもねーハズだけどな」

と言って新しくつくった地図を見せて指をさす
洞窟の入り口あたりに『ココ』と書いてあった

「ほらココってなってるだろ?洞窟の形状も完璧に取れてるし
 矢印の場所がホーレンゲ草の生えてるところで…ほら見ろちゃんとあるだろ」

ちょっと待て
なんでそんなトコに生えてるんだ
なんで岩場に隠されてるんだ

「そんな汚い字や線で描きなぐってたら適当に描いてあるとしか見えないですよ!!」
「隠してあるなら先に言ってくれないと!!」
「う…字が下手なのは仕方ねーだろ」

そりゃそーかもしれんが説明ぐらいはちゃんとしてけよ
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