LONG fast

□MP:21 弾丸アドベンチャー
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「何だ自然の洞窟かと思ったらけっこー手が入ってんじゃねーの」
「以前は使われてたのかもねー」
「この奥に例のナンタラ言う草があんのか」

奥へと続く細い道
だけど気になるのはその入口の横にあるいかにも人工物らしき塊
なんだか動きだしそうだし

「大丈夫かな…なんか怖いよ」

愛花と観月が不安そうに見つめる

「とにかく行くしかねーだろ」
「そだねー。あ、足元悪いみたい。気を付けてね」

すたすたと進む凛を見て愛花がポカンとした

「意外…凛ちゃんってこういうの苦手そーなのに」
「あいつは怖いのは他人だけだからな。けっこー好奇心旺盛だぜ。そこ気をつけてな」

そう言って凛に続こうとするのだが
ふと聞こえて来た小さな声に立ち止まった

『アブナイ…アブナイヨ?ニゲテニゲテ』
「?誰だ?」
「どーしたの?」

と、凛も振り返るのだが…

「だっ…何だ?」
「うそ!?動いてる!!」

先程の不気味な石像らしきものがいきなり動き始めたのだ

(どーしよ…応戦すべき?)

「後ろに下がるんだ!!」

一応プレートを構えるがそれより先に九澄に抱えられてしまった
その状態で大きく後ろに跳躍する
するといきなり石像が衝撃が走ったようにバチバチと音を立て、あっと言う間に崩れ落ちた

「なんだよ驚かしやがって。何もしねーで壊れちまった」
「でも道が完全にふさがっちゃったわよ」

彼女の言うとおり壊れた石像のせいで奥へと続く道は完全に断たれている

「これ…何かの魔法だよね」
「ん〜人力でどけるにゃかなり無理そーだな。凛、ノームでどーにかなんねーか?」
「できるけど…結構時間かかるよ?」

これだけ大きな石像の崩れた後となれば瓦礫の数も半端ない
いくらゴールドでもそんなふうにずっと魔法を使い続ければポイントもなくなるし、
爆発させれば一発だがそんな事して洞窟ごと壊れたら元も子もない

「他の道ないのかしら…私ちょっと探してみるわ」
「あ、私も…」

そう言って一度退却する観月と愛花

「なぁ、さっきから声しないか?」
「声?声って誰の?」
「やっぱ聞こえてんの俺だけか」

するといきなりきょろきょろとうろつきだす九澄
何だか行動のおかしい彼を黙って見守るのだがいきなりマンドレイクと話しだした
どうしたのだろう
ひょいっとそのマンドレイクを引っこ抜く

「なにかあった?」
「いや、コイツルーシーって言うらしくてさ」
「マンドレイクが?」

そう言えばマンドレイクには多少の自我があるらしい
普段凛達はマジックプレートを所持している分それはガードされて分からないのだが
魔力のないM0プレートには分かる、と

「そのルーシーがどうしたの?確かに野生のマンドレイクは学校のより魔力高いって聞いたことあるけど」
「ああ、ちょっと色々情報くれてな」

ルーシーが言うにはここは西隠れの洞窟で10年以上前は魔法試験の会場として使われていたらしい
現在は魔法磁波の乱れが酷くなって使われていないけれど
普段は石像が生徒の侵入を塞いでいるらしい

「じゃあホーレンゲ草の居場所も?」
「いや、そりゃ知らんらしい。だが洞窟の一番奥に珍しい魔法草があるんだってよ」

なら決まりだ。そこに行ってみればいい
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