LONG fast

□MP:20 クラブ勧誘お断り
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「加水は行かなくていいのか?」
「うん。そろそろ教室戻るよ。わたし執行部の方が忙しいから部活入る余裕ないだろうし」
「そーだよな。相当忙しいもんな。加水もレース部入ればと思ったんだけど」
「ごめんね」
「気にすんなって」

それじゃまた、とレース部に入る手続きをする津川と別れる
結構減ったとはいえまだまだ賑やかな人通り
嫌いじゃないけれど疲れるからもう戻ろうと思っていたのだが…

「そこの君!ウチの部に入らないか!?」
「魔法サッカー部なんだけどマネージャーとか興味ない!?」
「野球部のマネージャーはどうだ!?」
「ひっ…!!」

別にゴールドプレートと言う事がバレたわけでもなさそうなのにいきなり囲まれてしまった
しかも何故か男子部ばっかりに
なんだかすごい剣幕だし

「おい、こっちが先に声かけたんだぞ」
「関係ねーだろそんな事」
「魔法料理部は!?女の子も大歓迎だよ」
「魔法鉄道部でーす」
「う…あ……」

(ダメ…こんなトコで……)
頭ではわかってるのにまたしてもパニックを起こす寸前の凛
断ろうにも全員が何か云い争いをしていてこっちの言葉なんか聞こうともしていない

(どうしよう…怖い怖い怖い)

泣きたくなる衝動を堪えるのだが
もう限界かもしれない…

グイッ

「ふえ?」
「何やってんだお前」

視界に飛び込んで来た白いシャツ
視線を上げれば金茶色の髪と整いすぎた綺麗な顔

「い、伊勢先輩」

いきなり腕を引っ張られたかと思うと人の輪の中から引きずり出される
それに気付いた勧誘の生徒達が一気にこちらを向いた

「伊勢…」
「お前その子と知り合いか?」
「ああ?」

ギロリと伊勢が一睨みすればタジタジになる2年達
あっという間に凛の腕を引いてその場から去っていった

「可愛かったのになー」
「しゃーねーよ伊勢が相手じゃ敵わねーし」
「つーか何?あの2人付き合ってんのか?」

口々に言う彼らだったが、
真相は当然誰にもわからない
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