LONG fast

□MP:20 クラブ勧誘お断り
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「う〜ん。悩みどころだぜ…」
「ある意味強力な力だもんねー」

教室に戻っても未だにプレートとにらめっこを続ける九澄
そんな彼の正面に座ってイミテーションのゴールドを見つめる凛
すると…

「何悩んでるの?九澄くん、凛ちゃん」
「柊」「愛花ちゃん」
「あーわかった部活の事でしょー?」
「「部活?」」
「今日から魔法部解禁だもんねー」

全く違うのだが部活という言葉に反応する
そーいや高校の青春と言えばトップ3にランクインする程重要事なのだがすっかり頭から飛んでいた

とはいえ、やはり聖凪。部活も一味違って魔法部が多々ある

「あ、でも2人はもう魔法執行部入ってるのか」
「魔法部か」

まったく興味がないわけではないけど
凛にとってはこれ以上知らない人に近づくのは勘弁こうむりたい

「私もWIにレベルアップしたしどこかに入ろうかなーって思って。ねぇ、ちょっと見に行かない?」




(や、やめとけばよかったかなー)

早くも後悔した
なぜなら…

「魔法歴史研究会です!!興味ある人はこのビラを!」
「こちら魔法情報部〜」
「魔法新聞部でーす!」
「魔法レース部!!」
「スケート魔法部!」
「はいどーぞ写真部です!!一般もやってます」

ワイワイと人の多い事多い事
人ごみがダメなわけではないけれど大勢の大きな声にはどうもまいってしまう
2年生が中心になって1年を勧誘しているのだろうけど

「魔法空手部格闘好きはどーぞ〜」
「魔法料理研究会〜!!」

なんだか三国の好きそうな部活もある
九澄のシャツを握りながらその中を歩く3人
予想以上にごった返している状況に驚いていた

「すげーなー」
「うんいっぱいあるねー。凛ちゃん大丈夫?」
「平気だよー。愛花ちゃんはどこか入るの?」

そう言われると悩む愛花
まだ特に入りたい所は決めていないらしい

「どこも面白そーだしなァ。でもやっぱ誰か仲いー人といっしょがいいな。ミッチョンたちが…」

チラッと九澄を見る愛花
ピンとくる凛

「お」

丁度レース部の辺りを通りかかると見慣れた姿
津川がこちらに向かって腕を振っていた

「よー九澄。いっしょにレース部入んね?スピードキング目指そーぜ!!」
「九澄!?」
「九澄ってあの怪物1年生か…」
「ゴールドプレートの片割れの!?」

一気に注目がこちらに集まる
それまで勧誘に熱心だった2年がわんさか寄って来たのだ
一番焦るのは凛である

(退散退散…)

九澄には申し訳ないけれど人に囲まれるのは大の苦手なのだ

「よぅ君!!ウチの部入んないか?」
「魔法天文部大歓迎だぜ!!」
「水泳部どう?女の子いっぱいよ!!」

暑苦しい連中にヘッドロックかまされたり、両手両足引っ張られたり
何だかもう本当に大変

「コラ放せこいつはウチがもらうんだ!!」
「何言ってる優秀な人材は渡さん」
「予算アップは良き人材からよ!」

凛も一応ゴールド(しかもこっちは本物)なのだが
九澄にばかり注目が集まるのはどうしなのだろう
ま、おかげで助かってるけど

「だ〜!!何こいつら!!」
「九澄くん!!」
「ほーさすが人気だな」

ドドドドド、と物凄い音がしてあっちゅーまにいなくなってしまう九澄
まぁ逃げたくなる気持ちもわかるけど

「どこ行っちゃったんだろー」

愛花も九澄を追いかけ始めるがしばらくは追いつけそうにないだろう
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