LONG fast

□MP:19 スケボー暴れて地固まる
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「おい津川!!起きて魔法解除するんだ!!…っておめーもか!」

先程の壁にぶつかった衝撃で同じく気絶している津川
これでは魔法解除は望めない

「愛花〜!!起きて危ないよ」
「あんたらも危ないって」

必死に声を出して愛花を探そうとする三国と乾
危険だと必死に皆口が呼びとめていた

「そーだ!!女子は下がってろ!」
「でも」
「三国の顔見たらいいコト思いついた」

そう言って九澄が手に取ったのは先程皆口が壊した柱の欠片
ガンガンと思いっきり床にたたきつけると大量の粉末を作りだした

「凛!!ちょっと目ぇ閉じてろ」
「え?う、うん!」

庇うように抱きかかえられて視界を遮られる凛
何をしたのだろうとそろりと顔を上げると…
うっすらと何かが人の形を描き出していた

九澄がコンクリの粉を撒き散らしたのだ

「いた!!」

すぐに駆け寄る九澄
愛花と津川を抱えると

「M0!!」

愛花の限りなく透明な私を強制的に魔法解除させる
だけど流石の彼でも二人を抱えての移動はきつそうだ

「九澄!!早く魔法でこっちに来い!」
「柊父!!戻ったんなら何とかしろよあんたなら…」

一瞬、柊と凛の眼が合った
成程

「何してる上だ!!」
「上?」

柊の言葉につられて全員が天井を見上げる
その隙に凛が九澄にプレートを投げつけた

「シルフ」
「のあっ!」

一気に飛翔する3人の体
それはすごいスピードで出入り口へと飛んで行った

「うおースゲー!」
「さすが九澄!!3人分の重さで飛んだよ」
「え?ハハハ…」

何が何だか分からなかったがとりあえず無事だったらしい
その後ろから凛も駆けつける

「すごいよ大賀」

ポン、と背を叩くふりをして魔法解除した

「よかったみんな無事で。九澄くん2人をありがとう。ケガ人がいて手が放せなかったんで助かったわ
 今の魔法も文句ないくらい!もー10点あげるわ!」
「マジで!?」

結果オーライってやつか

「試験場は使えなくなってしまったが全員の試験が済んだ後でよかった
 今日一日全員よく頑張ったな。これにて1年第一期魔法試験は終了だ。皆今後も精進するようにな」

こうして魔法試験は終了した
今日一日の疲れやお互いの努力を思い返しながら教室へと戻るC組一同

たった2人を残して
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