LONG fast

□MP:17 リアル鬼ごっこ
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「う…うわあああああん怖いよー!!」
「あーよしよし。気持ちは分かる」

ひしっと三国にしがみついて泣き始める凛
無理もなかった

「どこだ俺の半分〜!!」

すれ違う人すれ違う人皆必死の形相なのだ
こちらはスタートが遅かったが他の班は結構な時間も経っている筈
そりゃ焦るのも仕方ない

「加水ー!俺の半身捜してくれー!!」
「きゃー!きゃー!」
「ちょっと、脅かすなよな!第一凛はうちの班だっての」

すれ違う生徒達に取り囲まれる凛
三国の背中に隠れると彼らを追い払ってもらう
ふぇ、と半泣きになりながら礼を述べた

「ごめんね〜ありがとう」
「いいって。しっかしあんたも損だな。折角のゴールドもその性格の所為で結構損してるんじゃないか?」

その言葉に苦笑する凛
魔法があってもなくても性格の所為で損する事なんて数えきれない程あったもんだ
だが…

「んー、大体は大賀が庇ってくれてたからなー」
「従兄ってだけにしては随分仲いいよな。結構一緒に登校してるし」
「わたし小学校の時から九澄家にお世話になってるんだ。だから一緒に暮らしてるから兄妹みたいなものなの」

その言葉にえ!?と眼を丸くする三国
そーいえば言ってなかっただろうか

「そーなのか?ってか両親は…」
「仕事で1年の殆どを海外で過ごしてるから」
「…何してんのか聞いていい?」
「外交官なの。今は父がブラジルで母がイタリアに行ってる」

すげー家だな、と言われた
おかげで九澄家はもう自分の家みたいなものだ

「んじゃ九澄が愛花とひっついたら寂しんじゃないか?」
「多少はあるけど…愛花ちゃんはいい子だし、2人がひっついてくれたらわたしも嬉しいよ」

ニコ、と笑う凛
フルフルと震えた三国がぎゅううと抱きしめて来た

「おっまえ…かわいすぎだろー!!」
「ちょ、久美ちゃん、苦しー…危ない!!」
「え?」

いきなり三国を引っ張った
すると先程まで彼女がいた場所に巨大化した消火器が飛んで来たのだ

「なっ…!?」
「あそこ!」

凛の指差す場所
そこには三国と乾の半身がいた

「凛、後ろにも」
「え?」

三国Bと乾Bの半身とは反対方向
そこにはもう一人の凛がいた

「挟まれた!?」
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