LONG fast
□MP:16 キオクのループ
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「第6班ようやく全員そろったか。さぁお前たちの番だぞ中に入って!!
一つ目の試験を始める」
(大先生が立ったら扉がよりでっかく見えるなあ)
と思いつつ促されるままに試験場へと足を運ぶ
「しかしお前らもいい迷惑だないいかげんなのが一人混じってると
少しばかり魔法力が高いからって勝手な行動されちゃたまらんよな」
「何だよーイヤミばっか言ってると背ぇ伸びねーぞ」
もう年が年だけに伸びないと思うけど、と心の中で突っ込んでおいた
大木のうらみがましい視線を背中に感じつつ部屋に入る
するとそこはどこか不思議な空間で、人数分の扉が用意されていた
「何だココ」
「第一の試験は6人が別々のドアに入り時間内に出てくる事だ
制限時間は10分。特にする事はないただ入って出てくるだけだ。むろん魔法の使用は自由だ。各部屋の中は魔法空間になっているが制限時間の10分以内に外に出た時は中で起きていた事を全て忘れてしまう
が…10分より長くかかった場合は記憶は残ったまま出てこられる
個々の結果は別として、6人中4人がクリアできたら6班はこの試験合格となる。以上!!わかったな」
まぁ少々長い説明であるがやる事は至ってシンプルだ
入って出てくるだけ、というのは要するに中にトラップが仕掛けられている事は容易に想像がつく
「なんだ…ずいぶん簡単な試験だな。ほんとにそんなんでいいの?」
「ま、魔法はかかってるだろうから気を付けてね」
「おう」
それぞれが扉の前に立つ
大木の声を合図に教室へと飛び込んだ
パァァァ
一瞬眩しい光に眼がくらむ
ようやく慣れて来たころ、自分はすでに室内にはいなかった
「ここ…どこだろ?」
凛の飛び込んだ世界は先程の練習場に少しだけ似た空間だった
薄暗いけれど広くて、どこかの地下の様にも見える
随分古いのか障害物のようなブロックのあちこちが朽ちていた
「違う…ここ、わたし、知ってる…」
どうしてだろう
なんだか懐かしいとすら思える
「………こっちだ…」
「誰!?」
遠くから声が聞こえる
「凛…ボクだよ………」
誰なんだろうこの声は
懐かしい、とてもよく知っているような声
優しくて、暖かくて…
「思い出せない…っ!!」
だけど、どうしてこんなにも胸が苦しいのだろう