LONG fast

□MP:14 シルバーの友情
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「この俺を簡単に片付けられるってんならやってみろ!!」

完全に切れた伊勢
もう手がつけられない状態でひたすら鎖を振り回す

「九澄!!」
「はは…全然効かねーなこんなんじゃ」
「そーかよなら遠慮なくいくぜ!!」

あの体力とタフさだけが取り柄の九澄が相当やられている
あたり前だ。完全に一方的なのだ
ボロボロになってもまだ止める気配はない

「よせ伊勢!!九澄は関係ない…!」
「だ、大丈夫だっての…
 こんなヤツ支部長が出るまでもねーって。魔法をケンカの道具くらいにしか考えてねーヤツなんてな
 強ーのをみせつけてーならいくらでも気のすむまでやりゃいい」

再び立ち向かう九澄
もう限界だろうにどうしてそこまで…

ドゴッ

またしても吹き飛ばされる

(もう見てられない!!)

ダッ

「加水!?」
「きゃあっ!!」

九澄を庇ったものの、思いっきり衝撃を受けて倒れる凛
全身に物凄い痛みが走って起き上がれなかった

(すっご…大賀よくこんなの受けてられたな)

これは胡玖葉並…へたすりゃそれ以上かもしれない

「おまえ…」
「凛!!」
「いたたー」

九澄に抱きかかえられてようやく上半身を起こす

「チッ…どういうつもりだお前ら!!何で魔法を使わねぇ!!」
「そりゃ、使っちまったらあんたと同じになっちまうからな」
「大賀!」

よろよろと立ち上がる九澄
慌てて駆け寄る凛

「俺らが魔法を使えば今のあんたと俺の立場が変わるだけだ。そんな使い方をしちまったら俺の魔法がかわいそうだぜ」

彼は魔法を使えない
だから使う立場の者の気持ちはわからない

だけど、たとえその場しのぎの事だって相手には届く

「あんたの魔法だって同じだ。こんな力自慢するためだけに覚えたもんじゃねーハズだぜ
 な?こんな無意味な事もう止めようぜ?バトルなんてしなくても話すりゃオチはつくはずだぜ
 魔法は楽しい事に使った方がいいじゃねーか」

一瞬の沈黙
だけど伊勢にはやはり届かなかった

「俺を…裏切った男と何を話せって?は…ゴメンだね
 ま、魔法を楽しい事に使うってのには賛成だ。今俺の楽しみはてめーをつぶす事だがな!

 魔法を使いたくねーってんなら意地でも使わせてやる!!」

頭を抱える凛
このままでは九澄だけでなく彼女までやられてしまう


ウヴォン
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