LONG fast

□MP:4 御挨拶ライブラリィ
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入学して1週間、鬼講師に毎日しごかれてます



「疲れたー」

図書館の魔法書を借りて現在新魔法の入力最中
元々魔法は使えたし、昔の記憶やカンも大分取り戻してきたので入力は楽になった
舌も噛まなくなったし。それが一番なによりだと思う

「んー…これかなぁ」

パラパラと捲ってよさそうな魔法を捜していく
(確実に伊勢の影響で)戦闘用の魔法は大体入力した
あとは補助的なものがあれば、と考えていたのだ

こういう時容量を気にしなくていいゴールドプレートはいいと思う
借りる手続きは後でするとして、とりあえず良さそうな頁に付箋を付けて行った

「ねぇ」
「ああでもそうなったら…うーん…」
「聞いてる?」
「ひゃあっ!!」

ガシッ

「危機一髪…」
「ご、ごめんなさい。有り難うございます」

と反射的に謝ったものの、いきなり目の前に人の顔が来れば誰だって驚くと思う
ひたすら魔術書に夢中だった凛が驚いて椅子ごと後ろにひっくり返りそうになったのだ
それを支えたのが先程の彼

「いや、僕にも責任があるしね。大丈夫?」
「は、はい。大丈夫です」

凛に声をかけてきたのはよくよく見れば中々の美少年。ただし背は低い
にこりと意思の強そうな瞳が真っ直ぐとこちらを向いていた

「君、C組の加水凛さんだよね」
「そうですけど…」

顔を隠すように魔術書を立てて彼との距離を取る
人見知りな凛はあまり知らない人と話すのも得意じゃない
それに、彼が話しかけて来た理由だって…

「へぇ、流石ゴールドプレート。もうこんな魔法入力してるんだ」
「(やっぱりプレートかぁ…)」

凛が持っていた魔術書をひょいと覗き込んでくる少年
確かに自分の見ていた魔法はレッドアイアン向けとはお世辞にも言い難かった
だけどそれよりも凛が気になっているのは…

(顔、近いよ)
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