LONG fast

□MP:29 ティアドロップス
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とりあえず一勝
一安心です





「おつかれ〜」
「勝ったな俺達ー!!」

それぞれがそれぞれの勝利をたたえ合っていた
凛もそれに漏れず愛花達とハイタッチをしあう

「次は午後だね」
「一時からでしょ?それまでお昼食べようよ」

だねー、と各々弁当箱を取り出して、
凛も通学途中にあるコンビニで購入したサンドイッチを取りだした
すると愛花がいきなりそわそわしだす
かと思えば弁当箱片手に九澄の元へと向かって…

「あの〜…九澄くん……」
「ん?なんだなんだ?」
「面白い事が起きそうな予感…」

挙動不審な愛花ににやりと笑って耳をそばだてる三国と乾
苦笑しながら凛もそれに倣った

「良かったら、その…これ食べて?」

と差し出したのは一目で美味しそうとわかる可愛らしいお弁当
手抜きなしの気合の入ったおかずにごはんには可愛らしいくまさんの絵

「お!お!お弁当!?」

そしてまぁ予想通りのリアクション
手に持った弁当箱に後光が差して見えた

「マジかいいな〜!!」
「九澄に…?柊のお手製かよ。きしょ〜!!羨ましい」

周囲も羨ましいやら憎らしいやらでざわめきだす
堪え切れずに三国がさっそく冷やかしに行った

「ヤルね愛花」
「べ、別に変な意味はないってば!朝ミスって作りすぎただけでね」

同じ家に住んでる凛も大抵は学食かコンビニで済ませている

「九澄くん普段昼は学食だし今日みたいな日は困るだろーなーって思ってね」

照れくさそうに笑う愛花
凛はクスリと笑って九澄が朝購入していた袋をこっそりと回収しておいた
九澄と目が合うとすまなさそうに片手をあげられる

(よかったね、大賀)
(ああ、悪いな凛)

袋の中に入ったおにぎりは凛が貰う事にした

「あ、良かったらみんなもつまんで!」

という愛花だが…

「ははは…それ無理だわ。殺されそーだしな…」

涙を流して喜びに打ち震える九澄からそれを戴こうとする勇者はいなかった
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