LONG fast

□MP:27 水辺の天使
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7月です
学生にとっては嬉しかったり悲しかったりする事があるんじゃないでしょーか




随分と夏の暑さを感じるようになった今日
朝だと言うのに太陽の熱はジリジリと自分たちの肌を焼きつけていた
これはバスがないとあの坂道を登るのは辛いな

「はよー九澄〜」

そんな暑さにも全くへこたれた様子のない声が自分を呼ぶ
振り返ればたたたと駆けよって来る伊勢
その顔はいつもより何だか楽しそうだ
きょろきょろと見渡して一人足りない事に気付く

「珍しいな、加水は一緒じゃねーの?」
「何か柊父に用あるらしーから先行くってよ」
「ふーん」
「「おーい、九澄、伊勢ー」」

校舎に向かっていると先程の伊勢と同じように自分達の元へと駆けてくる津川と堤本
その顔はやっぱり何だか楽しそう
つーかなんかヤラシイ
怪訝な表情になる九澄

「なんだよお前ら」
「だって今日はアノ日だぜ!?」
「俺らがこの日をどんだけ楽しみにしてた事か」

朝っぱらからテンション高いな、と思いつつ一応聞いてみる
すると余計に上昇した。聞かなきゃよかったうっとーしい

「あの日?」
「おう!」

伊勢が自分のサブバックを九澄に見せつける
それは似たようなものは自分も持っているけれど
ああ、と納得する
そうだ、今日は…

「プール開きか」

相変わらず下らん事ばっか考える奴らだ
気持ちはわからんでもないけど
でも別にそこまでテンションあがる程の事でもない
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