LONG fast

□MP:26 モザイク色恋心
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恋ってなんだろう
わたしは誰かに恋した事がない

……本当に?




「と、と、ところで!加水さんと九澄って仲がいいのね?」
「(観月さんどもりすぎ…)」
「ん?ああ、まぁ付き合い長ーしな」

あくまで凛をメインで話を持っていきたいらしい
そんな事しても気付く人は気付くと思うのだが…
幸か不幸かこの従兄は全く持って気付かない

「わたしと大賀は従兄なの」
「え?そーなの!?」
「わたしが小さい頃から両親が海外出張で忙しいから大賀の家にお世話になってるの。だから兄妹みたいなものなんだ」

そーなんだ
明らかにほっとしている観月
クスリと笑う凛にハッと気付いてわたわたと焦り始めた

「ちっちがうわよ!私はただ加水さんが九澄に何かされてないか心配で…」
「わたしまだ何も言ってないよ?」
「はうううー!!」

顔がユデダコみたいに真っ赤な観月
なんだか可愛い

「おい、どーしたんだ?」
「なんでもないわよ!!」
「?何怒ってんだよ」

怒ってるんじゃなくて照れているのだけど
ツンデレ観月と鈍感九澄
これじゃ想いが届くのはいつになるのやら

(あ、でも大賀が好きなのは愛花ちゃんなんだよね
 うーんわたしどっち応援したらいいんだろー)

と言うか愛花はどう思っているのだろう

(ううーん)

何とまぁ恋愛とは難しい事よ
恋なんて今まで一度もしたことがない凛には分からない
…と思う

(何だろう…何かがひっかかる)

胸の奥でチクリとした痛み
何かを忘れているような…
大切な、誰かを……

「あ、そだ。凛、これから柊父のとこいくから付き合ってくんねー?」
「はーい」

ま、いつか思い出せるだろう
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