LONG fast
□MP:23 独立ノースサウス
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波乱はまだまだ続くようです
たとえばクラスマッチとか
「聞いたか?九澄と加水が機能裏山の洞窟に入ったんだってよ」
「先輩に聞いたけどそこって超ヤバイとこらしーじゃん」
「先生の付き添い無しで入ったら普通出てこれなくなるくらいの危険度だってよ」
「やっぱゴールドはスゲーんだな」
「それだけじゃねーよ。その洞窟って完全攻略すると魔法のレベルが上がるボーナスつきだって噂があるんだよな」
「マジで?ホントなら更に差ァつけられたって事じゃん」
「あーあ。こりゃ来週のクラスマッチC組の優勝は固そーだな」
「やってらんねーな」
1年の階全体に広がる噂
何気なく廊下で話しこんでいた男子生徒
ゴールドプレートが2人もいるC組が強いのは確かにそうだろう
しかしそれに異を唱える男子が一人
「オラオラそう諦めんのは早すぎじゃねーのか?クラスマッチなんだぞ」
グイッと乱暴にその男子生徒の襟首を掴む彼
大きな体に似合ういかつい顔ですごんだ
「九澄と加水が頭抜けてても他の奴らが並ならどーって事ねーだろうが!ああ?」
「小石川」
ぱっと男子の制服を放す
ガタイがいいだけに結構辛かったようだ
「それに一人二人突出したのがいると逆にチームワークが乱れる事もあるしよ
いずれにしても今1年のクラスで一番魔法の成績がいいのはウチらF組だっての。C組警戒する前にウチらの対策考えた方がいいぞ」
ずかずかと歩いていく小石川の後ろ姿
何ともまァ頼もしい事で
「小石川か…九澄達がいるから目立たねーけど魔法の才能は1年のトップクラスだもんな。やつも敵に回ると怖ーなー」
「バッカ!もっと怖ーのはヤツの影に隠れちまってる大門の方だって」
何気なく言う彼に突っ込む友人
全く気付かなかったけれど確かに大門もそこにいたのだ
ただ大柄な小石川に隠れていただけで
「しかしどいつもこいつも九澄だ加水だって…面白くねーな」
「別にいいでしょゴールドPなんだから。目立って当然だよ
そう慌てなくてもクラスマッチでC組タコにしちゃえば僕らも結構ヤルって事が判ってくると思うよ」
そう言う大門の脳裏に浮かぶのは一人の少女
茶色の髪を揺らしてあわあわと慌てていた
その姿はまるで…
「怯えた子兎…」
「ん?何か言ったか?」
「いや、何も」
クス、と思いだして笑いだす
ゴールドプレート所持者とは思えない程おどおどしていた彼女
可愛いとは思うけど
(おそるるに足らず、かな)