LONG fast

□MP:22 マンドレイクの変革
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吹き抜けていて広い部屋
先程のような人の手も入った様子はない

「なんだ、何もねートコ出ちまった…」
「九澄くん行き止まりだよ?」

きょろきょろと見渡しても何も見当たらない

「ちょっと!あんたの言う通り進んできたけど何もないじゃな…」
「凛!柊!!」

食いかかろうとする観月の声を遮って2人を呼ぶ九澄
ある一点を指差していた

「頼みがあるんだ。凛の魔法であそこ照らしてみてくれ」
「ん?うん。…出でよ!崇高なる光を統べし覇者(アスカ)」

凛のプレートから金色の大きな鳥が現れる
まるで昔読んだファンタジーの物語に出てくるフェニックスのような姿をしていた
その鳥はゆっくりと飛翔して彼の指す所へと飛び立っっていく

一つだけポツンと浮き出た小さな岩

「柊、声振砲であの上のトコ撃ってくれねーか
 あれが隠し部屋のスイッチみてーなんだ」
「なんであんたがそんな事わかるのよ!!」
「わかった!やってみる」
「柊さん!」

観月の止める声もあったけれどとりあえず声振砲を出す愛花
アスカの照らし出すスイッチを見事直撃し、カチリという音がした
音を立てて壁の一角が口を開く
さっきまで何もなかったのに

「すごーい…ホントに隠し部屋が」
「……」
「行ってみよーぜ」
「ここにホーレンゲ草があるのかな」

だだだと急いで部屋へと入る2人
だけど入ってすぐに足が止まった

「な…何コレ?つーかダレ?」
「わかんねー…」

なんだか人の顔のような形をした不思議な物体
植物が髪のような形をしてるといい、ギザギザの口といい、見ようによっては可愛くないこともない

『4名の入室を確認』


いきなり目が光り、同時に壁も3か所が光った
その光は丁度人が一人通れそうなくらいの大きさで

「これは…」
『この入口は外へすぐ出られる魔法通路…一人を残して他の者は出る事ができる
 入口は一人通れば消滅する。4名の入室なので用意できる入口は2つだけ』

なんかいきなり喋りだしたし

『入口が全て消えた時私の口は開く…残った一人は中の物を手にする事ができる
 ただしその者は一人で今来た道を引き返さねばならぬ』
「見てあの口んとこ」

観月の指す先…ギザギザの口の端から出ている植物
それこそ3人が求めていたホーレンゲ草そのものだった

「くそっ!採れねー!口も開かねぇ」

九澄が無理矢理こじあけようとするが余程頑丈なのがビクともしなかった
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