LONG fast

□MP:21 弾丸アドベンチャー
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どこまで貧乏くじというかトラブル体質というか…
ま、放っておけないのも事実なんだけど




「それで?そのホーレンゲ草ってのを取ってこいって言われたの?」
「ああ」

あらかたの事情を九澄から聞いて眉尻を下げる凛
別にそれくらいなら図書館で魔法薬の本でも読めば載っていそうな気もするのだが
一応取って来るのは九澄がダメにした薬品の代わりも兼ねているらしい

「んで…まー俺が頼れるのはお前くらいのもんだしな」

(頼る…)

その言葉に少しだけ嬉しそうな凛
普段いっつも頼りっぱなしなだけにそう言われるのは悪くない
裏山だろうが洞窟だろうが、行ってやろうではないか



「ふう…結構遠いんだね」

少しばかり歩かなくてはならない距離に愛花が息をつく
そんな彼女に手を差し伸べたのは…

「平気?あんたも物好きよね。こんな事につき合うだなんて」
「ありがとう
 あ…自己紹介してなかったね。私1−Cの柊愛花」
「ああ。あなたが柊先生の?私1−Fの観月尚美。よろしくね」

九澄がホーレンゲ草の効果で抱きついてしまった女子生徒
その顔は凛も見おぼえがあった

「あなた…以前小石川達に絡まれてた子よね?」
「うん。あの時は助けてくれてありがとう」
「まさかゴールドプレートの加水さんとは思わなかったわ」

その言葉に苦笑する凛
確かにこんな臆病な奴がゴールドプレート所持者とはだれも思うまい

「ねぇ2人とも、あなた達もあの男に言い寄られたクチ?」
「「え?」」

一瞬彼女が何を言っているのか分からなかった

「気を付けた方がいいんじゃない?あいつろくなもんじゃなさそーだし
 私に抱きついたのもそりゃ薬草のせいもあるだろうけどいつもそんな事考えてるから出た行動に決まってるわ!!」

なんだか存在全てを否定するような言い方
どちらかと言うと九澄が、というよりも男の存在そのものが嫌いなのではないだろうか

「今考えたら初めから目つきがイヤラしかったもの。なめまわすような視線で私を見てた気がするし…」
「九澄くんはそんな人じゃないよ!」

段々と言葉がエスカレートしていく観月に愛花が力いっぱい否定した

「って…えと…たぶんだけど。ね、凛ちゃん」
「うん」
「お〜いあったぜ!!」

それはよく知ってる
ずっと前から隣で見て来たのだから

九澄の声に駆けだす
その先には件の洞窟らしきものがあった
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