LONG fast
□MP:14 シルバーの友情
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なんでまた、色々と面倒事に巻き込まれちゃうんだろう
特に九澄大賀という男は
「どーした?九澄」
鞄ごと教室を去ろうとする九澄に伊勢が声をかける
現在お前の兄貴で困ってんだよ、という言葉を飲みこんだ
「ちょっと体調悪くなってな。家帰って休もーかなって」
「昼メシにでもあたったのか?」
「そーかもなァ…」
あたったのはお前の兄貴だって
横目でふう、と溜息をつく凛
放課後までもう少し時間はあるが早めに帰るのが得策なのだろう
「あれ?帰っちゃうの九澄くん」
「柊…はは…親父さんにはテキトーに言っといてくれよな。んじゃ!」
「あ!ちょっと待ってよ大賀ー!!!」
脱兎の勢いで走り出す九澄を追いかける
…のだが突然彼が横に引っ張られた
凛もそれに続いてそちらに行くと…
「!!支部長!!」
なんてすばらしいタイミングに
「だ〜!!お目覚めですか!?あん時は殴るしかなくってですねぇ…」
慌ててゴミ箱の影に隠れる九澄
隠れきってないって
だけど永井は別に怒っている風ではなかった
「いや…殴ってくれて助かった。あのまま…では俺の代りに加水があそこでヤツと…とことんやり合う事になって…いた
悪かったな…俺達のイザコザに…まき込んで
いつかキチンご清算…しなくちゃと…思ってたんだが…
タイミングが…なかなか、その…」
長いよ支部長
話が長すぎる
心の中でひっそりと涙を流す凛
「その話長いっスか?えーっと俺ちょっと急いでいてですねぇ」
九澄もしびれを切らしたのかそろ〜っと逃げ出そうとする2人
「わかってる」
「「は?」」
何を?
いやちょっと待て
「屋上で伊勢をケリをつけるんだろ」
「!!?聞ーてたの?」
「俺の代りに…一肌脱いでくれるとはスマない。本来支部長としては部員自らの違反対決を見すごすワケにはいかないのだが…」
いや、それ勘違い
激しく勘違いだから支部長
「あいにく昼までの公務とロッキーの実体化で魔力を…使いすぎて今日つかえる魔力が…もうほとんどない
お前を止める事もできそうになくてな…
だが」
ガシッと九澄の腕を掴む支部長
なんでこんな事になっちゃうの
「お前一人で行かせは…しない」
「いっ!ちょっと?」
「し、支部長…?」
「俺も…つき合う…し、こんな早くから乗りこもうというお前の気概…ムダにはしない
伊勢に思い切りお前の力を見せてやって…」
「支部長〜〜!!そっちは屋上〜!!」