LONG fast

□MP:13 魔法のいたずら
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濃いなぁ、執行部




悲鳴と共に投げ込まれる二人の男子生徒
胴体には巨大化した手錠がかけられていた

「はい2人とも、反省文書いてって。もー授業始まるから…その、手早くね…」

ぼそぼそとした声と共に現れたのは同じく2年の男子生徒

「支部長!!」
「ハハ…魔法バトルやってたもんで捕まえてきました。今反省文書かせて…帰しますから」
「オ、オハヨー」

(はぁ…流石支部長、ていうのかな?)
苦笑気味に言う彼
先程の声の主とは思えない
でもどこか親近感湧くのは何故だろう

「えと…その人が九澄くん?」
「と加水さんよ」
「ウワサは重々…でも…その、入部の件は…その簡単に決められちゃ…
 えーと決定権は…私に…あってですね…で…その」

一々はっきりとしない物言いにイラつく九澄
反対に凛はやっぱり親近感を覚えていた

<つまり俺抜きで勝手に決めんなっつってんだボケ共が>
「(帽子が喋った)」
<決定は支部長の俺がする。役立たず共は黙ってろっての>

腹話術にしては良く出来てる…というか出来すぎか
本当に帽子の方から声がするのだ

「いえいえそこまで思っちゃいない…ような気が。ハハ」
「あれ魔法なのよ。支部長って元々人前で本音を話すの苦手な人でね
 あーやってあいつに本音を喋らせてるのよ」
<るっせーブス!!黙っとけ>
「やだなー本音っていうか誇張した自我ですよ。誇張した」

なんつーか、見た目と本音が随分不一致な人だな
ひきつった顔がどうも隠せそうになかった

<とにかくそいつらの入部はすぐ認めるワケにはいかねーな。どーにも気にいらねぇ…>
「な、何だよ勝手に入部決めこんどいて俺がOKしたら今度は拒否かよ」
<拒否じゃねぇさ。校長の薦めでも使えるか使えねーかはテストしてみねーとわかんねーって>
「「テスト?」」
<1年ながらゴールドプレート持ってるやつとは聞いてるしまー魔法は問題ねんだろう。ただ執行部の仕事は度胸と行動力が必要だからな>
「どの程度の人材か、ぜひ確認したいなーと」

そう言ってる人物が
一番チキンに見えるのは凛の気のせいなのだろうか(いやものすごく失礼だけど)

「はあっ!?最初に出てきた先生のデコに落書きして来いだァ!?なんだそりゃ!」

支部長こと永井に出された課題というのはそんな感じ
男子なら小学生の時一度や二度同じような事をやったのではないだろーか


「それがテストかよ!!ただのイタズラじゃねーか!!」
「…まーそうですかね」
<別に嫌ならやらなくていいさ。やるもやらんもお前の勝手だ>
「…です」

とことん挑発するドクロ
でもやらなければ執行部に入る事はできない
選択肢なんてハナっからないのだ

<イタズラでもこのくれーの事できねーチキンはこっちじゃ願い下げなんだよ。どーすんだ逃げんのか?>
「あ〜!!やるよやるって!!行くぞ凛」
「あ、うん」
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