緋桜恋愛遊戯

□第六話
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外で二人の様子をハラハラしながら見ていた山崎は、多分自分の事を言われたのだろうと、ドキッとした。
しかし、土方は深い溜息をつくだけで、怒鳴り散らしたりと言う事は無かった。

「チッ‥おりゃ江戸一の美女だな…」

「特長はないんですかィ?」

「紅い着物着てたぜ。桜模様の…」

「そうですかィ…」

「んな事聞いてどうする?総悟」

美女の特長…、服装を聞いて満足したのか、沖田は土方の問い掛けに対して、口だけニヤリと笑った。
どうやら作戦は順調に進んでいるらしい。

「っと言う事で俺に斬られてくだせェ」

「どーいう事だ!!」

沖田は帯刀していた刀を抜き、土方に向けた。
さすがの土方も、沖田の抜刀に焦り始めた。と言うより、命の危険を感じ、思わず声を張り上げた。

「そういう事でさァ」

「意味わかんねぇーよ!!」

『こいつ…目がマジだぜ…』

真剣な沖田の瞳に、土方は焦りを募らせた。
街で会った美女の事を聞かれて、いきなり抜刀…。訳が解らず、土方は混乱状態。

「美女の事を聞き出せたんだ。土方さん斬っても平気でさァ」
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