緋桜恋愛遊戯
□第六話
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土方暗殺計画が実行出来ない。土方を殺ってしまったら、美女の情報が掴めなくなってしまう。
沖田はどうしようか、顎に手を沿えながら考える。
傍で見ている山崎は、沖田が何を考えているのか大体想像はつく。いつもの事。
『どうしまさァ…』
暗殺が先か、美女が先か…。悩む沖田。
暗殺を先にすると、美女が見れない。美女を先にすると、暗殺が遅れてしまう。
悩む事じゃないと思うが、沖田は真剣に悩んでいた。
早く副長になりたい。けど、美女も見たい。ただの好奇心だが、勝てる物じゃない。
気付けば、腕を組んで考えていた。
そして、ある結論に達した。何か思い付いたのか、土方の部屋に向かって歩き始めた。
「沖田隊長…?」
山崎の問い掛けを無視して、沖田は土方の部屋に付き、勢いよく障子を開けた。
そして中にいる土方を見据える。
何か思い付いたらしい。沖田の考える事なんて、絶対ろくなことじゃないけれど…。ろくでもない事を実行しようとしているのに違いない。
「あ?」
いきなり開けられた事にさほど気にする事もなく、土方は平然と振り向いた。
どうせ総悟が変な事考えついたのだろう…と、頭の中でうっすらと考えていた。
そして、その考えは見事に当たった。
「さっき会ったと言う別嬪さんの事教えてくだせェ」
「…誰から聞いたんだ?」
不思議そうな表情で問い掛けた土方。不思議というか不機嫌に近いかもしれない。いきなり障子を開けられた事に対してか、良からぬ事を考えている事に対してか…、それともペラペラ喋った山崎に対してか…。
「そこにいるミントン男からでさァ」