青春Play back

□青春Play back.
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拾ってみて解ったことがある。


こいつは…


相当厄介な居候だ…。





青春play back
*第三話*






あれから、景吾は口を開かない。っと言うか、ソファに寛いでいたら、そのまま寝てしまったみたいだ。
気付いた時には、もう景吾は寝息を立てていた。
風邪を引かせちゃいけないと思い、肌掛をかけて様子を見ることにした。

「ったく…」

散々騒ぎを起こしといて、本人は気持ち良さそうに寝ている。
私も寝たい…。すごく寝たい。
疲れ切った体を癒やしたい。

まぁ…、景吾の寝顔で少し癒されたからいいか。

やば…、寝顔も格好いい…。

「襲いたくなるから見ないでおこう…」

そう呟くと、私はパソコンへと向かった。
景吾が寝ている隙に、残っている仕事を片づけてしまわないといけない。
仕事を家に持ち込むのはよくないが、時間ギリギリまでやっていたけど終わらなかった。
どうせ家に帰っても一人だし、家でやればいいやと思い、仕事をお持ち帰り。

予期せぬ事態に見舞われ、一人じゃなかったけどね。

パソコンを立ち上げる。
起動音が意外に大きくて驚き、振り返ってみた。

「良かった…。起きてない」

そして、椅子に座り作業に取りかかる。
簡単な書類作成だ。しかし、簡単は簡単だが、枚数が半端じゃない。
全て私にやれ!って方がどうかしてるよ…。でも、仕事だから仕方ないと割り切る。

そして、不意に景吾のことが気になり振り向いた。
ソファに隠れて見えないが、お休み中。

「こいつ幾つなんだろう…」

私と同じには見えない。
増してや、社会人になんて見えない。かと言って、高校生にも見えない。
大人っぽいその容姿からは、彼が幾つかを想像させる決定的なものがない。
大人っぽいけど、何だか子供みたいで…。

「煙草吸ってるってことはぁ…大学生辺りかしら?」

まぁ、そこら辺が妥当だろう。
大学生だったら、氷帝大のお姉さんと知り合いなのも頷けるしね。
勝手に憶測して、その思考を急いで切り替える。

「今は景吾のことじゃなくて、仕事のことを考えないと!」

今やるべきことをこなしてから、景吾のことは考えよう。
今は仕事が最優先。でも、やっぱり気になる…。でも今は仕事が…。
この繰り返しで、仕事が手につき始めたのは一時間後だった。

何年振りだろう…。
一人の男に、こんなに思考を占領されるのは…。

何だか…
凄い懐かしい感覚がする。

昔の感覚が、再び疼き出しているー…





移行完了【2015/10/13】
 

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