企画集(てにす)

□拍手御礼第二弾*忍足*
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真っ青な空見上げると、君に会いたくなる。

汚れを知らない空だから、君を思い出すんだ…。

「会いたいわぁー…」

ふと言葉にしたら、まるで伝わったみたいやった。

「誰に…?」

「この世で世界一かわええ俺の姫さんにや…っておるやないかい!!」

「気付くのおそっ…」

「かわええ姫さん言うたかっただけやで」

「あ、そう」

ホンマに俺だけのかわええ姫さんやで。
呆れながら相槌打っとるけど、ちゃんと伝わっとるもんは伝わっとる。

「よぉここが解ったな」

「だって侑士大概此処にいるじゃない」

俺がいつもサボり場に使っとる場所は屋上。冬はさすがにいかへんけど今日は冬の癖に暖かい日やから屋上に来たんや。
そう言いながら俺の隣にちょこんと座った。

「さすがやな。そやけど不思議やな」

「何が?」

「俺が会いたい言うたすぐ後にきはったから…俺の声でも聞こえたんか?」

そやったら嬉しいなぁー。と面白半分で問い掛けてみた。
そしたら意外な答え。

「聞こえたよ」

「へ?」

「侑士に会いたくなってサボり中の侑士探してたら、会いたいなぁー…って声が聞こえたよ。そしたら益々会いたくなった」

「ホンマか…?」

「本当だよ」

声…、届いたんやな。
会いたい言う気持ちも届いたんやな。
さすが俺達やな。
心が繋がっとるっちゅー事を信じさせる証。
はっきり届いた…。

「これが、まさに以心伝心だね」

「そうやな」

二人は距離はどないに遠く離れていてもゼロ。

心が繋がっとるんやから距離なんてないやろ?

そやからどないな言葉だって解る。

会いたいとか…悲しいとか…。すぐに相手に伝わる。

俺の君を想う気持ちもちゃんと届いとる。

此処に、君が来てくれた。

それが何よりの証拠や。

「さて…帰るか」

「帰るって授業…」

「サボりってまえはええやん。デートや!デート!」

「うん!!」

手を差し延べて、その腕を掴み返してくれる君。

繋いだ手からやって、気持ちは伝わる。

手を繋いだまま俺に抱き着いてくる君が可愛くて可愛くて…。

幸せやって…実感できる。

この真っ青な空は君に似ていて…

君に会いたくなる空。





有難うございました。

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