企画集(てにす)

□バレンタインSS-弐-
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for Y.Oshitari


いつだって…


愛しいあなたに…。


Happy valentine.



「侑士ぃー!!」

元気良く叫んで、チョコ片手に、彼氏に抱き付いた。
驚いた様子一つ見せずに、侑士は笑って見せる。
こんなこといつものことだし、一々驚いていたらキリがないこと。侑士が誰よりも理解しているから。

「どないしたん?」

「今日バレンタインでしょ?」

「そうやな」

侑士みたいにモテる人には、欠かせない行事。
彼女の私がいるのに、侑士にチョコを渡そうとする女子が大勢いる。
けど、やきもちなんて焼く必要はない。

「まさか…チョコ貰ったりしてないでしょーね?」

「するわけないやろぉ」

念の為聞いてみる。
侑士が、他の人からチョコを貰わないことなんて、私が一番よく知っている。
だって、侑士が誰を一番大切に思っているか、身にしみて解っているから。

付き合い始めた時は、不安で仕方なかった。
だけど今は、そんな不安は全くない。
私だけを大切にしてくれるって、解ったから。だから、不安なんてない。

「なら良かった。はい!バレンタインチョコレート」

「待ってたんやでー!ありがとさんっ!」

「わっ!」

凄く喜びながら、侑士は私を抱き締めてくれた。
それが凄く嬉しくて、私もつい抱き締め返す。

「大切に食べんとな」

「愛があるから甘くて美味しいよ」

「おおきに」

そう言って、侑士は私を力強く抱き締める。
絶対に離さないと言われているみたいで、凄く安心する侑士の腕の中。
独り占めしてるって思うと、無性に嬉しくて仕方ない。
私だけの居場所を、侑士はいつだって与えてくれる。

だから、侑士といると安心できる。
嬉しくて仕方ないのは、侑士が、この世で一番大切な人だから。
誰よりも、侑士を思っているから。

この先も、侑士と祝えたらいいな…なんて、未来予想図を形作っていく。
たった一人と過ごすバレンタインは、チョコよりも、甘い甘い時間となるから─…


2008/02/14
Happy valentine!


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