金銀花
□放課後らぷそでぃ
2ページ/3ページ
無邪気な笑顔の少女から、色気のある女の顔に変わった桜子に、我慢が出来なくて抱き締めている腕に力を込める。
「銀八?」
「なぁ、キスだけしていい?」
「えっ!?ちょっ…だ、誰か来たら…」
「すぐ終わる」
「えっ…んっ…」
桜子の返事を待たずに、放課後の教室で唇を重ねる。
誰か残っているかも知れない。ばれたら一巻の終わり。けれど、好きな気持ちは止められない。
好きになったのがたまたま教師だった。好きになったのがたまたま生徒だった。
好きなものは好き。
今更、諦めるなんて出来ない。
唇を放して、桜子に笑い掛ける。
「行くか」
「うん!」
笑い掛けられて、無邪気な桜子が笑顔で頷く。
手を繋いで、誰もいない廊下を歩いていく。
誰にも見付からない様にと祈りながら、銀八の温もりを感じて幸せな気持ちに浸る。
普通の恋人同士のように、幸せを噛み締めて…。
テストも、悪くないね。
終
次頁後記