金銀花
□泡沫の心
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桜子が必要としているのは銀時だけ。
解らなくていい。
全てを知ろうとは思わない。願ってない。
ただ…傍にいてくれればいい。
もう一人の夜は味わいたくない。
(思い通りに行かない…)
ただ…私だけを見て欲しいだけ。
そう願うのは罪なのですか…?
(手に入る訳ない…思い通りに行く訳ない…)
目を離すとどこかへ行ってしまいそうな人。手に入る訳はない。
誰かの思い通りになる程、簡単な人じゃない。
ふわふわ漂っているような人だから…。
空に浮かぶ雲の様に―…
(留めておくのは無理…?)
手を伸ばしても、するりと抜けて行ってしまう。
私からしてみれば…
手にしても消えてしまうのならば…
私への想いも儚く消えてしまう程ならば…
泡沫の存在…
永遠に傍にいてなんて…
なんて無謀で、遠い願いなのだろう―…
終
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