よろず夢置き場

□be amore.
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久しぶりの再会を…



噛み締め合う恋人達。





be amore





日本からイタリアへ。
長い道程の中、ずっと君だけを想って来た。
早く会いたくて。
一分一秒でも早く、君の温もりを感じたくて…。
足早に、屋敷へと…。君の待つ部屋へと向かう。

「桜子!!」

扉を勢い良く明けると、中には何時もと変わらない桜子の姿。
呼ばれて振り返り、余裕の笑顔を浮かべて、何もかもを見透かしている様な綺麗な瞳に吸い込まれる様に、桜子に走り寄る。

「ディーノ」

涼しげな声で呼ばれ、懐かしい声が心地よく耳に響く。
桜子を強く抱き締めて、匂い、温もりを思う存分感じる。

「会いたかったぜ」

「何だか、老けたみたいね」

「老けてねぇーよ」

桜子に抱き締め返されて、瞳を交える。
笑いながら言葉を返すと、桜子も再会を噛み締める様に、笑顔を浮かべてくれる。
その笑顔が綺麗で、眩しくて暖かくて、最高に心地いい。疲れなんて、一気に吹き飛ぶ。

「どうだった?小さいボンゴレ十代目は…」

「頑張ったよ。未来は、何も変わらねぇ」

十年前のツナ達が、日本にタイムスリップをしてきたと聞いて、正直戸惑った。
百蘭達の手は、キャッバローネにも及んでいて、桜子を残して屋敷を離れる事に、決心が付かなかった。
けど桜子は、「早く行って来なさい」と煮え切らない背中を押してくれた。
一人にする事が、どんな事かなんて解っている。しかし、桜子はそんな弱い女じゃない。
信じるしかない。そう想った。
一緒に連れて行きたかったけれど、屋敷が心配だからと桜子は残る事を望んだ。無理に連れて行ける筈もなく、桜子は屋敷を守り続けてくれた。
不安な心を掻き消す程に、桜子は強くて凛々しい女。そんな桜子の魅力に、どうしようもなく惚れた。ボンゴレにいた桜子を引き抜き、恋人にしてキャッバローネに迎えた。

桜子といる未来。
桜子がいる未来。
愛する人と過ごす未来は、何も変わっていない。

「ボンゴレ十代目は、小さくても頼もしいのね。今も昔も、何も変わってない」

「心配だったか?」

「少しだけね。今のボンゴレはあっさりとやられてしまったのに…。でも、何も変わらないのね」

十年後の今。ツナは百蘭の手によって命を落とした。
最初は二人とも信じられなかったけど、事実なんだと受け入れざるを得なかった。
ボンゴレ十代目が死んだ。これは、裏の世界に瞬く間に広がっていった。動揺を顕にするや否や、直ぐに百蘭率いるミルフィオーレファミリーが、攻撃を仕掛けてきて、息吐く暇もなかった。勿論、桜子との恋人としての時間も。
何もかもが片付いた今、好きなだけ、桜子を愛せる。

「変わらないさ。俺と桜子の未来は。どんな事があってもな」

例え、世界が滅んだとしても、滅ぶ瞬間も、絶対に桜子と一緒にいる。
何があっても、どんな事があっても、絶対に桜子だけは離さない。この腕は、桜子を守り抜く為にあるのだから。

「頼もしいのね」

「当たり前だろ」

言い終わった直後、唇を重ねた。
久しぶりの桜子の味。一度だけじゃ満足できない。
唇を離し、今度は深い口付けを交わす。

「ん…」

強く抱き締めながら、お互いを貪り合う。
久しぶりの温もり。久しぶりの口付けに、興奮が止まらない。
桜子を感じたくて。
気が狂いそうな自分を保ち、ツナ達のサポートに専念した。
一分一秒でも早く、戦いが終わる事を願いながら…。

こんな事桜子に言ったら、怒られそうだから、言わねぇーけどな。
桜子は今、自分の腕の中にいる。その現実が嬉しくて、欲望は止まらない。
舌を絡ませて、桜子の酸素を奪う。自分無しじゃ、居られなくなる様に…。

「ふっ…ん…」

唇を放し、角度を変えて何度も口付けを交わす。
頭に酸素が行かなくなり、段々桜子の体から力がなくなっていく。
縋るように捕まってくる桜子が可愛くて、ついもっともっとと口付けの回数を重ねていく。

「ディ…ディーノ…んっ…」

深い口付けをし、力の無くした桜子の体を、強く抱き留める。
途切れ途切れの声は艶めかしくて、余計に興奮してくる。
口付けを交わしながら、器用に桜子のスーツを脱がせていく。いつもスーツを着ていて、脱がせ慣れているから、いとも簡単に、桜子を裸体に出来る。
脱がせた後、唇を放して、桜子を机に座らせた。
完全に力が入っていない体は、身を委ねてくれているみたいで、つい笑みが零れる。

「大丈夫か?」

「ん…」

問い掛ける為に、視線を交えたのが間違いだった。
上気した顔に、瞳にうっすらと浮かんだ涙。全てが、桜子の魅力を、色気を引き立てていて、完全に理性が切れた。
そのまま桜子を机に押し倒し、自分も上着を脱ぎ捨てる。
早く、桜子を感じたくて。我慢が出来ない。

「やっぱお前…最高の女だな」

「当たり前でしょ?ディーノが選んだんだから」

「違いねぇーや」
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