よろず夢置き場

□ファンキーモンキーベイビィ+その後の二人編+
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久し振りに、昔の事が夢に出て来た…。


そういえば、むっくん元気かなぁ…なんて、今ふと、そんな事を思った。


会いに来るとか言っていた水上と東条は、全く会いに来ないし…。
いや、別に来なくてもいいんだけどさ。あいつ等は…。騒がしいだけっつーか、咬み殺されに来るだけっつーか…。

けど、今のあたしの状況みたら、絶対に驚くよなぁ…。
どんなリアクションをするのか、すっげぇー見てみたいなぁ…。

どんな反応をするのか、凄い興味があるけれど、口先だけのあの二人が、本当に会いに来るとは到底思えなかった…。





ファンキーモンキーベイビィ
+その後の二人編+






「こ…桜子…風邪引くよ」

「ん…恭弥…?」

揺すられて、あたしは目をゆっくりと開けた。
一番初めに視界に映ったのは、起こしてくれた彼氏の恭弥。彼氏の恭弥!あ、ここかなり強調ね。
どうやらあたしは、応接室のソファーでうたた寝をしてしまったらしい。
むくりと起き上がり、まだ完全には開かない目を擦る。

懐かしい夢を見た。
それは、あたしが現役時代に共に暴れた舎弟達との思い出の数々が、刻まれている記憶だった。

久しく見ていなかったのに、何で今更…?

目を擦りながらぼけぇーっとしているあたしの目の前に、恭弥の顔が飛び込んで来た。しかも飛び込んで来ただけではなくて、唇に何かが触れた。

「なっ!!??」

瞬時に気付いて、あたしは顔を真っ赤に染め上げる。
いきなりはナシだっていつも言ってるのにー!!

「目が覚めた?」

「さ、覚めたに決まってるじゃん!!っていうかいきなりは辞めてよ!!」

「いきなりしなきゃ、目は覚めないでしょう?」

「そ、そうだけど…」

「じゃぁ、またキスしていいかい?」

「何でそうなるの!?」

再び、恭弥は顔を近づけて来た。

チキショー!!
格好いいよもう!!
ってか恥ずかしいよぉー!!

「ちょっ!待って!」

「ヤダ」

後数センチ。
だけど恥ずかしくて、あたしは思わず待った!をかけてしまう。

「恥ずかしい…から…」

「いつもしてることだよ」

「そ、そうだけど!!名前だって、最近ようやくスムーズ言える様になったばっかりなのに…」

「そうだね。だけど、キスはまたしちゃうよ」

そう言うと、恭弥は強引に唇を重ねて来た。

「んっ…」

長いキスじゃなくて、短いキスだけど、あたしは恥ずかしくて顔を真っ赤に染める。

こんな…。
こんな甘い生活が待っているなんて、想像していなかった。
こんなに大切にされて、大事に愛されるなんて…。女の子としての喜びを、こんなに幸せに感じることが出来るなんて、誰が予想出来るのだろうか…。
こんなに、上手く行っていいのだろうか…。なにもかもが上手く行き過ぎて怖いくらい。いや、きっと幸せ過ぎて怖いというのは、こういうことなんだろうな。

唇を離した恭弥は、不適な笑みを浮かべる。

あぁー!もう格好いいんだから!!何なの恭弥は!!

喧嘩が強くて、格好いい恭弥と付き合えて…。並中に来て正解だったな。
しかも、京子ちゃんと言う可愛い友達も出来たしなぁ。あ、けど、京子ちゃん可愛いから、家には呼べないな。家危ないし。うん。

「そろそろ、巡回に行こうか」

「あっ…うん…」

そうか…。もう巡回に行く時間か…。すっかり忘れてた。……誰かさんのせいで。
少し残念そうなあたしに、恭弥は再び不適な笑みを浮かべる。

「行かないで、ここにずっといるかい?」

「いっ、行く!!早く行こう!!」

それだけは勘弁してねぇー!!
あたしの心臓持たないから!!
これ以上二人きりでいたら、色いろいろヤバイから!!

勢いよく立ち上がり、恭弥を手招きして呼ぶ。
まだ、慣れない。
この、幸せ過ぎる日常に。
恭弥のする仕種一つ一つに鼓動を高鳴らせて、よりいっそう想いを深くしていく。

喧嘩三昧だった毎日が、嘘の様に思う時が時々ある。
あの頃のあたしからは、今のあたしの姿は想像できない。
けど、今の状況は嘘なんかじゃなくて。喧嘩三昧だった昔も、決して嘘なんかじゃない。
確かにいた仲間達。確かに刻まれている思い出。

(ごめんな…お前等…)

心の中で、嘘みたいと思ってしまった事を謝る。
並中で恭弥に出会えたのは、背中を押してくれた元舎弟達だから。
かなり、感謝はしているんだ。

(ありがとうな…)

最高の仲間。
あいつ等以上に、最高の仲間なんていない。
そして今は、隣には最高で最強の彼氏がいる。

隣で、肩で風を切って歩く恭弥に、チラッと視線を送った。

チキショー!!
恭弥マジ格好いい!!

脱不良。
脱トップ。
やり遂げたからな!!お前等のお陰で、神崎桜子は生まれ変わったからな!!

あぁ…。
あたしは今、人生で一番の幸せを手に入れているんだ…。
本当に幸せ。こんな幸せが、一生続けと願うばかり。
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