よろず夢置き場

□ファンキーモンキーベイビィ
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本当にマジで……





勘弁してくれぇぇぇ!!





ファンキーモンキーベイビィ





今日も廊下を全力疾走。
注意されても止められない。いや、止まったらあたしは確実に、これからの人生不良街道まっしぐらな人生を送る事になる!


(それだけは勘弁して下さい!普通の女の子に戻らせてぇぇ!!)


あぁ…。
なんであの時暴れてしまったんだろう…。いや、あれは仕方なかったけど、もっと上手い方法があったはず。
受けて立つんじゃなくて、もっとこう話し合いで収まるような………ってあるわけないか。あいつらも不良なんだし。話し合いなんかで帰ってくれるような連中じゃないよ。


でも…


こうなるなんて思ってなかったんだもん!
並盛に来て、「いい子にします。桜子は普通の女の子に戻ります」って誓ったばっかりなのに!


いやいやいや…。
並盛ではこれが普通の女の子なのかも知れない。


「神崎さん…また雲雀さんに追い掛け回されてるね…」

「関わらない方が身の為だよ」


って馬鹿ぁぁぁ!!
これ絶対普通じゃねぇーよ!
並盛牛耳ってる様な不良に追い掛け回されてるあたしって、絶対普通じゃねぇーよ!!


やっぱ乱闘しなきゃよかったぁぁぁ!!
今にも泣き出しそうなあたしを……誰か助けて…。


「逃げたら追い掛けたくなるもんだからね」

「追い掛けないでほっといて下さい!!」

「君が逃げなきゃいい話だよ」

「あんたが追い掛けて来なきゃいい話だ!!」

「もうすぐ授業が始まるんだから止まりなよ」

「人の話聞く気ねぇーんかい!!」

神様はあたしに、普通の学園生活を送らせない気ですか?

朝は舎弟と一緒じゃなくて、仲良くなった女の子と登校したい…。

授業中は、教師に盾突いた舎弟に巻き込み食らうんじゃなくて、仲良くなった女の子と、席が近くだったりしたら、こそこそ話をして盛り上がって、「そこ煩いぞ」と教師に怒られて、「怒られちゃったね」と笑いあってみたい…。

昼休みは、舎弟に購買で買ってきてもらうんじゃなくて(舎弟自らがパシリ志願)、仲良くなった女の子と食堂で食べたい…。あっ。並中食堂ねぇーや。仲良くなった女の子と教室か屋上でお弁当を広げて、「卵焼き美味しそぉ」「じゃぁ交換しよっ!」なんて会話を繰り広げながらお弁当を食べたい…。

放課後は、舎弟と町をふらふらして、絡まれた(因縁付けるのはいつも舎弟)舎弟を助けて乱闘するんじゃなくて、仲良く(以下略)、どこかへ寄り道して買い物をして、「これ可愛いねぇ」「本当だぁ!オソロでかおっか!」何て言って、お揃いの物を身につけてみたい…。


そんな……そんな……ッ!


普通の女の子らしい学園生活を送りたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!
同じクラスの沢田にあたしおの夢を言ったら、切実だね…と言われた。

そう!!切実なんだよ!!
これを叶えたい為に、あたしの事を知らない(多分)並中に転入したのに…ッ!!


意味ないじゃん!!!
っていうか普通の女の子に戻らないと父ちゃんが……父ちゃんがぁぁぁ……っやばっ…。考えただけで泣けそう…。

とにかく!!
普通の女の子らしい学園生活を送らせて下さい!!切実ですッ!


* * *


「しつこすぎるよ…雲雀恭弥…」

「大変そうだね…」

やっと雲雀を巻いたあたしに、一番に話し掛けてくれたのは沢田だった。っていうか疲れた…。

「っていうか何!?何なん!?何なんだよぉぉぉぉぉ!!!乱闘して蹴散らせた位で、何で二時間も追い駆け回されなきゃなんねぇーの!?」

「ぐらいって……ほら…。雲雀さんって強い人好きだからじゃない…かなぁって…」

沢田の肩をがっしりと掴み、涙目で訴えた。沢田に言っても、何にも解決しない事なんて解っている。解っているけど…ッ!

言わずにはいられないんです!

「嬉しくないわ!!雲雀恭弥のせいで、あたしはまともな学園生活が送れないんだよ!?」

あぁぁぁぁー…。
可愛い女の子とのウハウハでドキドキな生活がぁぁ…。

せめてッ!静かに暮らしたい…。

頭を抱えて悩むあたしに、沢田は困り果てて何も言えない状態。何を言っていいのか解らない様子。
そんな沢田を見兼ねて、沢田の舎弟の獄寺が話し掛けて来た。
舎弟っていうと、沢田は力いっぱい否定して、「友達だから!」という。
あたしからしてみたら、舎弟にしか見えないよ。

「てめぇ…。さっきから何十代目困らせてんだよ!」

あたしはもう喧嘩はしないって決めたんだ!
どんな挑発だって、絶対に動じない!

っていうか、獄寺と山本はあたしの事どう思っているんだろう…。
やっぱ不良って思ってんのかなぁ…。それとも可愛いらしい女の子とか?
そう思われてたらどーしよぉ!!二人とも恰好いいし、告白は受けるべきだよね!ウフフ…。

「ねぇ!あんた達から見てあたしってどう!?どう見える!!」

沢田から、獄寺と山本に視線を向けて、キラキラした瞳で問い掛けた。

「はぁ?何だよいきなり…」

「すっげぇー強い不良だな。乱闘凄かったしよ」

「不良としかおもえねぇよ」
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