よろず夢置き場
□変態に惑わされて
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「しつこい…本当にしつこい…」
「なら付き合えば?」
「他人事だと思ってぇーっ!!」
変態に惑わされて
毎日毎日毎日毎日何なのあいつは!?何でこんなにしつこいの!?そして何で恭弥はこんなに冷たいの!?っつーか冷た過ぎ!!
いや…。一番解らないのは、あの南国果実だ。朝から晩まで付き纏いやがって…っ!!
学校へと向かう途中、カメラを構えた骸が後ろから着いてくるし。
「何してんの?」
「桜子のパンチラをカメラに収めようかと」
有無を言わさずに、カメラを取り上げてその場でカメラを粉々に砕いてやった。
学校に着いたら着いたで、他の男子生徒の制服を剥いでそれを着て、並中生に紛れていたし。
「並中生に手を出すな」
「桜子のパンチラを拝む為です」
並中生に危害を加えた骸に、恭弥が制裁を下していた。
誰が拝ませるか。絶対拝ませやしない。
そんな骸を無視して教室に向かうも、机の下に骸がいて、椅子を思い切り押し入れてやった。
「ふぎゃ!」
変な声が聞こえたけど無視。寧ろ、骸の存在ごと無視したい。
教室を諦めて、恭弥がいるであろう応接室へと向かう。
予想通り、恭弥は応接室に居て仕事を淡々とこなしていた。
ソファーで寝転がろうとしたら、いきなり扉が開いて、鼻に絆創膏を張った骸がいた。
さっき、椅子押し入れた時に怪我したのね。ついでに、頭にもでっかい絆創膏貼ってもらえば良かったのに…。
あ、もう処置しても無理だな。
「雲雀恭弥と二人きりなんて許せませんね」
「あんたと二人きりよりはマシだよ」
「やはり、雲雀恭弥!あなた桜子を狙ってますね!」
「煩い」
骸を睨み付ける。
とうとうやっつけてくれるの!?かと思いきや、全く違う。
「ちょ!何すんの!?」
いきなり首根っ子を掴まれ、骸へと投げられた。
え?
どういう事…?
「南国果実が五月蝿いから、桜子も僕に近づかないで」
「ひどっ!!」
しっかりと抱き留め、嬉しそうに骸は抱き締めてくる。
もしかしなくても…
見捨てられた…?
「桜子ー!」
「酷くない!?ってか、私がどうなってもいいの?!」
骸の顔面に拳をお見舞い。
余程痛かったのか、離れてその場に蹲っている。
今は、こんな変態に構っている暇はない。
「別に」
「私と仕事どっちが大事なの!?」
夫婦みたいな会話だと思いつつも、口を突いた言葉をそのまま発した。
仕事仲間と仕事。
大事なのなんて決まってる。
普通ならね!
「仕事」
「ですよねぇー…」
普通じゃない。
恭弥を、他の人と比べちゃダメ。
だって、明らかに人とは違う。
人と同じだったら、こんなに冷たくないからね。
恭弥を、他人と比べたのが悪かった。馬鹿だった。
もういい。
恭弥なんて頼らない。
自分でなんとかするからいいもん。絶対に恭弥には頼らない。