企画(ぎんたま)
□00時00分のI Love You.
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銀時に、満面の笑みを向けた。
さすがに夜中じゃ、皆と一緒には行けないし、今から行ったんじゃ、きっとかなり混んでて、寒いし、願い事どころじゃないだろうし。それに、折角行くなら、ちゃんとした格好で行きたい。
初詣の約束をしてくれたのが嬉しくて、今から楽しみ!
「あ、あぁ…」
少し顔を赤らめて、銀時は私から視線を逸らした。
「何?どーしたの?」
何で逸らしたの?
襲いたいなら襲えばいいのに…。
まぁ、いいか。
敢えて気にしない振り。
「いや…何お願いすんのか考えとけよ」
女は時間掛かるからな…と、小声で続けた。
私には、そんな長時間考える程のお願い事なんてない。
「もう決まってますー」
「えっ?何?何?」
さっきの表情から一変。再びにやにやしながら聞いてくる銀時。
なんかムカつく…。
絶対に、勘づいてる…。
はっきりと口にするのは恥ずかしい。
「ぎ、銀時に言うもんじゃないでしょ!?」
顔を赤く染めながら、今度は私が視線を逸らした。
しかし、銀時は逃がしてくれない。私の腕を掴み、引き寄せた。
「いやいや、神様に言う前に俺に言ってみ?叶うかもしんないじゃん」
「初詣行った時に言うから!」
「今聞きたい。今言わなきゃ、初詣いかねぇーぞ」
「はぁぁ!?なにそれ…」
卑怯だ…。
楽しみにしてたのに…。
「なぁ…桜」
「やっ…」
耳元で名前を囁かれ、体が反応を示した。寝起きに聞いた声より低くて、熱の篭った声。
甘く、私の体に入り込み、力を奪っていく。抵抗する力すら、奪われて、私は、顔を染めて俯いたまま答える。
「ぎ、銀時と…」
「俺と?」
「これからも一緒に…いられますようにって…」
「それ、願うまでもねぇーよ」
「え?」
思わず顔を上げた。すると、ひどく優しい笑みを浮かべた銀時と目が合った。
「俺、桜を離すつもりねぇーし。これからも、一緒にいんのは、当たり前だろ」
「うん…」
ちらりと時計を見ると、零時丁度。そして、そのまま優しい笑顔の銀時と唇を重ねた。
願うまでもない願い。
私が、銀時の傍にいるのは。
銀時が、私の傍にいるのは。
もう、当たり前のこと。だから、願うまでもない。
唇を離し、笑い合う。
「明けましておめでとう」
「これからも宜しくな」
「こちらこそ」
再び唇を重ねた。
神様に言う前に、叶っちゃった。私のお願い事。
「年明けたし、秘め初めしよーぜ。その格好、マジでやべぇ…」
笑顔から一変。瞳を光らせて、獲物を捕らえる獣みたいな目に変わる。
「年変わるまで我慢してたの?」
「秘め初めだからな」
年が変わったら、すぐにヤりたかったみたい。
まぁ、別にいいけど。
いちゃつけたし。愛も確かめられたし。
そのまま押し倒され、再び行為に耽っていく。
年の終わりも始まりも、大好きな人と居られる。
年が変わる瞬間、大好きな人から愛をもらえた。
今年一年、絶対に、幸せな年になる。
大好きな人が、隣にいるのが、当たり前な、幸せな一年に…。
明けましておめでとうございます!!今年も一年、宜しくお願い致します!!