企画(ぎんたま)

□ハロウィン企画
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case4.SOUGO


「とりっくおあとりーと!ということで仮装してみましたぁ」

天真爛漫な笑顔で、沖田の前に現れた桜。
桜の頭にはネコミミが付けられていて、尻尾まで付いていた。しかも手も足も猫の手。
明らかに狙っている。
桜の姿を見て、良からぬ考えを巡らせる。
そして、ニヤリと笑う。

「似合ってますぜィ」

「ホントッ!?これ山崎から貰ったの」

意外な言葉に、沖田は一瞬固まった。

(何で山崎…?)

こんな趣味があったのかと、認めたくない事実を認めようと頑張る沖田。
しかしそれは次第に、面白い玩具を見つけた!という感情へと変わっていく。
けどこれは山崎が持っていたものじゃなくて、山崎が桜に買ってあげた衣装だ。
何を着ればいいか解らないという桜に、山崎が選んだもの。
山崎の趣味に変わりはないが、大きな違いだ。
言葉足らずな桜が招く最悪な被害を、山崎はまだ知らない。

「まぁ、とりあえずハロウィンってことで…。お菓子くれないと悪戯しちゃうぞぉ」

楽しげに言う桜だが、次の瞬間には後悔することになる。
沖田がニヤリと笑ったかと思ったら、桜は押し倒されていた。
気付いたら、真上には天井と沖田の顔が見えた。

「それはこっちの台詞でさァ。悪戯出来るもんならしてみろィ…」

「そ…総悟…?」

嫌な予感が激しくする。
どうやら、ドSのスイッチを押してしまったらしい。

「桜に…激しい悪戯しちまうぜィ」

「激しい悪戯って何ー!?」

「そのまんまでさァ。腰砕けになるまで楽しまねぇーと」

「いやぁぁぁぁぁ!!」

「語尾ににゃんつけねぇーと」

「勘弁して下さい…」

泣きながら訴える桜だが、そんなの沖田には関係ない。
桜の涙を見て、もっと苛めたいと思ってしまうのだから、逆効果である。
悪戯をするつもりが、逆に悪戯されてしまったハロウィンでした…。





次→近藤。


執筆完了【2007/10/31】
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