企画(ぎんたま)

□ハロウィン企画
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case2.SHINPACHI


「とりっくおあとりーと!」

魔女姿の桜が、新八の前に現れ叫んだ。
その言葉を聞いて、新八は思い出したかのように口を開く。

「あっ!今日ハロウィンでしたね」

仮装している理由もちゃんと解っている。
新八が微笑みかけると、桜は新八に歩み寄る。
そして、着物の裾を掴んだ。

「さ、桜さん…?」

動揺を見せる新八に、桜は上目遣いで告げる。

「お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうぞ?」

明らかに狙っている。
誤解を招くような言い方に、新八は見事にはまっていた。
顔を真っ赤にして、先程の比ではないほどの動揺を見せる。

「い、いい悪戯!?あっ…いや僕にはそんな…っ!悪戯なんてそんな…!したいけど無理です!あっ…でも桜さんになら…いいや!」

明らかにおかしな方向に考えが飛んでいる新八。
異様な慌てぶりの新八に、桜は冷たく告げる。

「んなのさせるわけないじゃん」

冷たく言い離された新八は泣きながらがっかりと肩を落とした。
上目遣いで告げたのは、そうすれば新八から確実にお菓子をもらえると思ったからだ。
しかし、桜の考えとは裏腹に、新八は違うことを考えていた。
新八を虐めるのが楽しい桜なら、結局は肩を落としている新八を見て楽しんでいる。

「紛らわしい…」

肩を落とすはめになったハロウィンでした。
結局は、桜に大量のお菓子を上げた新八だった…。





執筆完了【2007/10/30】
移行完了【2013/09/19】
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