企画(ぎんたま)

□ハロウィン企画
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case1.GINTOKI


「とりっくおあとりーと!!」

魔女姿になって銀時の前に現れた彼女の桜。
魔女姿になった桜を見て、銀時は一瞬固まった。
この間は、明らかにどんな反応をしたらいいのか悩んでいる証拠だ。
それと同時に、可愛くて押し倒したい気持ちを必死に隠している証でもある。

(なんでこんなに可愛い格好を選ぶんだ!?何の日かは知ってる!知ってるけどこの格好は反則じゃないんですかぁぁぁ!?っていいか犯罪者だぁぁぁぁぁぁぁ!!俺がっ!)

一人で考え、一人で止めようとする。
しかし、次の言葉で銀時のサド本能が目覚めてしまう。

「お菓子くれないと悪戯しちゃうぞっ?」

狙ったように言ってくる桜に、銀時はニヤリと笑いながら問い掛けた。

「……していいの?」

「はっ?」

「お菓子あげないから悪戯させて」

いつもしているけど、魔女姿の桜に悪戯するのも、いつもと違う感じでそそられる。
俯いてしまった桜を見て、照れているのだと勝手に思い込む銀時。
桜に手を伸ばそうとするが、その腕が桜を抱き締めることはなかった。
銀時の腕を掴みながら、桜はゆっくりと口を開く。

「私…魔女だよ?」

「あ?だから何だよ?」

桜の言葉の意味が解ってない銀時は、不思議そうな表情で問い掛けた。
すると、桜は顔を上げた。
未だかつてないほどの、可愛らしい笑顔を浮かべながら。

「そんなふざけたこと言ってると、毒で殺しちゃうぞ?」

背後に見えるオーラは幻覚じゃない。
桜の顔が般若に見えるのも幻覚じゃない。
笑顔なのに怖い。
怖いけど笑顔。
殺気立った何かがある。
静かに怒る桜が一番怖い。
これに逆らおうものなら、銀時は確実にあの世行きだ。
桜の殺気に気付いて、銀時は震えながら言葉を返す。

「いえ…申し訳御座いません…」

死の恐怖を味わうはめとなってしまったハロウィンだった…。





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執筆完了【2007/10/30】
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