企画(ぎんたま)

□粉雪-新八編-
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桜は新八に振り向く事なく再び口を開いた。

「ねぇ新八」

「なんですか?」

「好きだよ」

「そうです……ッかぁぁ!?」

「びっくりし過ぎ」

「だッ!!だって…」

「何回も言ってる気がする…」

「そりゃおまっ!!えっ?まぁそうですけど…」

「なら私の気持ちも知ってるじゃん。ってか新八の気持ちも知ってるけどね」

「…知ってますよ…」

顔を赤くしながら、新八は精一杯に戸惑う。
だけど、桜からいつも言われている言葉。しかし、不意を突かれて言われると凄く戸惑う。
その戸惑いは照れからくるもの。
桜が自分のだと思うと、正直不安になる。
でも、その言葉で心から安心する。
もしかしたら…、安心して、好きだと認めてるから、照れるのかも知れない。
改めて、桜は自分のだと思える事が嬉しい。


僕は一生…


桜には頭が上がらない…と思う。


一生…


桜には敵わない。


色んな意味で…。


「ねぇ新八」

「何ですか…?」

桜は新八に勢い良く振り向き、満面の笑みを浮かべたまま口を開いた。

「来年も一緒に雪見ようね」

桜の笑顔が、まるで桜の様…。
綺麗で、一瞬胸が高鳴った。
桜となら…


儚くないかも知れない。


寧ろ…、嬉しくて綺麗と言う気持ちばかりが先走って…。
桜の笑顔にやられ、思わず顔を赤くする。

「当たり前です…」

来年も再来年も…、桜と一緒に居られる。

来年も再来年も…、桜の傍にいる。

それは当たり前の事。

静かに降る雪に触れながら、桜は自分の熱した体温を下げる。
恋に燃えた心は、粉雪じゃ溶かせないけれど―…


Happy Merry Christmas!!


執筆完了【2005/12/25】
更新完了【2005/12/25】
移行完了【2013/09/19】
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