脳内からの産物1
□『桜の木の下で・・・。』準備中
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「それじゃあ、俺達も出発しますかね白哉さん?」
恋次は白哉の方に、太陽のような明るい笑顔で振り向いた。
「そうだな。爺、少しの間だが留守を頼む。」
白哉は恋次の手を優しく握った後、自分達の数歩後ろにいた家老に言った。
「はい、お任せください。白哉様、恋次様、道中気よつけて楽しんで来てください。」
「うむ。では行ってくる。」
「行ってきます!」
そうして白哉と恋次はゆっくりと歩き出した。
2人はその間日常に起こった事や、2人にしか判らない事を喋りながら暖かい時間をすごしていた。
歩き出してから数分後・・・・。
〔そして冒頭の文が此処に入ります〕
「恋次、この場所を知っていたのは誰だ?」
恋次はそんないきなりの質問にも動じず、桜の木の下にビニールシートを敷きながら(もちろん白哉も手伝いながら)答えた。
「此処は、一番隊第三席の那岐裕也(なぎゆうや)さんの、弟に教えてもらったんです。たしか5人兄弟の1番下で、名前は碧倭(あおい)って名前なんですよね。」
「ほう、那岐に5人目の弟がいるのは判っていたが、名前は知らなかった。」
恋次は白哉が那岐の事を知っているとは、知らなかった様で・・・。
「あれ?白哉さんは那岐さんの事知ってるんですか?」
「ああ、那岐とは貴族としての付き合いもあるが、ほぼ同期に護挺に入ったからな。だが私が六番隊の隊長になってからはあまり会えていないな。」
2人は広げたシートの上にバスケットを中心に置いて座り、話をしながらバスケットから重箱や箸を取り出していた。
「へ〜、そうだったんですか。(那岐さんって貴族だったのか見えねぇ・・・。)あっ、そうだ!さっき渡した札ありますよね?」
那岐の関係を知った恋次は、突然思い出した様に白哉の顔を見た。
「ああ、あるが。これがどうかしたのか?」
白哉は恋次から突然な話の振り方に少し驚きながらも、懐から札を取り出した。
この札は恋次が歩いている途中で白哉に渡したの物である。
「この札はですね、この桜の回りに張ってある結界を打ち消してくれる物なんですよ!」
札には那岐家の家紋と文字が書いてあり、その紋様は二重五角形の中に五角星があり更に中心には睡蓮が描かれている品物である。
「二重五角形の角にも五つの梵字・・・。そうか、那岐家は結界と刀鍛冶の一族だったな。」
白哉は札を見ながら、一週間前の事を思い出していた。
『よう!久しぶりだな白哉!』
六番隊隊舎に向かう白哉を浮竹隊長の様な口調で呼び止めたのは、那岐裕也本人だった。
『那岐か、確かにそうだな。数ヶ月ぶりか・・・。』
『まぁな、俺は第三席で白哉は隊長だからな。会う機会がそんなにねぇからな。』
そお言いながら那岐の顔や声は、なぜたか嬉しいそうだった。
『嬉しそうだな。なにかあったのか?』
『そうなんだよ〜!・・・・』
それから白哉は那岐家で代々守っている桜の下で限定2人の花見をすることを知り、その2人も決まっているとも知った。