脳内からの産物1

□『桜の木の下で・・・。』準備中
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「白哉さん、こっちです。此処は、ほとんど人に知られていない場所なんすよ。」


右手に重箱や箸が入っているバスケットを持った恋次は、左手で背中にビニールシートを背負っている白哉の右手を引きながら、桜がある場所に歩いていた。

恋次は付き合い始めの時は、名前で呼ぶ事と、手を繋ぐ事を恥ずかしがっていたが最近やっと慣れて来たらしい。


「・・・ほお、こんな場所が在ったとはな。」


白哉が関心するぐらいに、樹齢300年をこえる桜は、満開で花びらが美しく舞っていた。







『桜の木の下で・・・。』


早朝、8時30分頃。

朽木家の台所は、朝から騒がしかった。


「ルキア、お前は料理すんじゃねぇ!!」

「何故だ!?」

「何故だ、じゃねぇよ!!お前の料理は、他の人が食べた瞬間に悶絶すんだろうが!」


と、恋次とルキアは朝から料理の事でもめているようで・・・。


「ふっ・・・・・・。」


白哉はその様子を微笑ましく、そして心穏やかに眺めていた。


「おはようございます。白哉様。」


眺めていたら突然家老に挨拶をされた白哉は、それほど驚きもせずに返事を返した。


「あぁ、おはよう。」


その時白哉は家老が持っていた物に気がついた。


「爺、その手に持っている筒はは何だ?」

「これでごさいますか?これは敷物で、恋次様が現世に行った時に買ってきた物ですよ。『いつでも出掛けても良いように』だそうです。」


話を聞いていた白哉は心の中で・・・。


(最近休みをとって現世に行ったのは、これを買うためだったのだな・・・。どうしてお前はこんなにもうれしい事を何の前触れもなくできるのだろう?)


「・・・恋次、ルキア。」


白哉は今だに言い争っている2人の名前を呼んだ時、ピタッという音が似合うぐらいに言い争いが静かになり揃って2人は挨拶をした。


「隊長!?」

「兄様!?」

「「お、おはようございます!!」」


それから料理は恋次と家老が作る事になり、白哉とルキアは花見に使う様々なものを準備することになった。






そして約3時間後・・・・・・。

恋次は予定より少し遅れて、朽木家の門前まで小走りで走ってきたが、そこではルキアと白哉がすでに準備をし終え立っていた。

この時の三人の服装は、ルキアはいつもの服装だが恋次は髪をおろして下の方でゆったりと結っていて、白哉は羽織りを着ていなかった。


「ルキア、お前の分と後コレな。」


恋次はルキアに、お花見用のお弁当と保冷剤が入っている袋を2つ手渡した。


「すまぬな。だが、コレはなんなのだ?」


ルキアは手渡された保冷袋を、持ち上げ不思議そうな顔で見た。


「予定より遅れたからな良いって。あぁコレはな、ルキアの好物の白玉のセットだ。」

「セット?何故セットなのだ?」

「それは、開けるまでのお楽しみだ。それよりも、乱菊さん達とする花見楽しんでこいよ。」

「わ、わかった。では兄様行って参ります。」

「あぁ、道中気をつけるように。」

「はい!兄様もお花見楽しんでください、恋次もな!」

「おう!解ってるぜ!」


ルキアは恋次に背中を押され、袋の中身が気になりながらも走り出し、恋次と白哉はその後ろ姿を穏やかな表情で見送った。

              
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