みじか〜いおはなし

□儂の髭を返せ
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元「儂の髭ェーーー






儂の髭を返せ








「ハァ〜〜〜。」



昨日、十番隊隊舎で飲み明かしてしまった一護は、爆睡していた乱菊、冬獅郎をたたき起こし、酔い醒ましに一人散歩をしていた。



一「あ゛〜、まだ頭イテーよ………。ったく……」



トボトボ歩いていると一人の老人が向こうから歩いて来るのが分かった。


一「あんた、総隊長さんか?」

元「いかにも。儂は護廷十三隊総隊長及び一番隊隊長、山本元柳斎重國である。」




そう、我らが総隊長、山本元柳斎重國である。
そして一護は率直というか素直な答えを出した。



一「な、長い…………。」

元「ならばげんりゅーさいのじっちゃんと呼べ。」

一「い、いや、十分長い…。」

元「じゃあ重ちゃん。」
一「ウザイしキモいし何より親近感ありすぎ。」


ブチィィ



元「ンガーーーー貴様よくも

一「ハァ、そっスか。」
元「万象一切灰燼と成 一「わーーーごめんなさいごめんなさい許してくだせぇーー



こんな所でキレた元柳斎が始解でもしたら火事では済まずに尸魂界が炎上するのは目に見えている。一護は何とか弁解しようと考えた。



一「(ちょっといじめすぎたぜ………。どうする?


総隊長…………はげてる…………一角…………つるつる…………多分一角に髪が生えたら気持ち悪いってゆうか想像できねぇ…………髪が生える…………リー〇21…………育毛剤………………………育毛剤)」



まるで連想ゲームのように一護の頭の中に出てきたのはなんと育毛剤だった。



一「おいジジ…………じゃなかった重ちゃん

元「何じゃい



かなりキレている。



一「お詫びのしるしに何かプレゼントするからよ、許してくれねーか?」
元「…………………」

一「………(や、やっぱ無理か?)」



恐る恐る顔を上げると元柳斎が聞いてきた。



元「そのぷれぜんととは何じゃ?」

一「え、いや、育毛剤なんてどうかと………?」


正直に答える一護。絶対 たわけが とか言ってまたキレるに違いない。だが今の一護には育毛剤しか頭に浮かばなかった。だが返ってきたのは意外な返事だった。



元「おお!!育毛剤をくれるのかたまには『『いめちぇん』』なるものもいいと考えとった所じゃ。それに現世には良いものが多いと聞く。有り難く貰うとするかのぅ。」

一「お、おう。



てっきり『ぺいっっっ』とか『儂を莫迦にしとるのか』とか言われると思っていた一護は瞳をまんまるにしてしばらく突っ立っていた。





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