短編1

□切ない誓い
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もう、半年………。
まだ、半年………。






糞くだらねぇ些細なケンカが理由で、名無娘と別れてから、半年。






……会いてぇ……。










つまんねぇ意地とプライドが、連絡を取ろうと携帯に伸びる手を止めちまう。


もし、
オレと別れて良かった。
なんざ思ってやがったら…。


もう、
他の野郎とくっついて、幸せなんざ感じてやがるんなら……。



今更オレが連絡取ったって、何も出来やしねぇじゃねぇか、クソッ!!





苛立ちを紛らわすために目に付いたモノを片っ端から蹴散らしてみる。



だが、そんなモンじゃ気持ちは紛れる訳もなく、逆に名無娘を力一杯抱き締めちまいたいっつー衝動だけが、いっそ笑えてくるくれぇ心を侵食しやがる。










携帯が、鳴る。




名無娘専用にしていた携帯が…………。










「……名無娘…」
オレらしくもねぇ優しい声で、半年振りに名無娘の名前を口にする。


「よ…う、いち……妖一……」
名無娘は、泣きながらただオレの名前を繰り返す。




「「会いたい」」





オレ達の声が重なってそう呟いた時、オレは家を飛び出していた。









今なら、素直になれる。

今更…かもしんねぇ。




だが名無娘は確かにオレの名前を呼んだ。

オレも、アイツの名前を呼んだ。


今のオレの耳には、泣きながら呟いた名無娘の言葉しか聞こえてねぇ…。










絶対ぇ、もう離さねぇ。




付き合った半年と
別れていた半年。





今夜
どっちも埋めつくして、
笑い話のネタにでもしちまうか。









end.
080401



蛭魔サマじゃないですよね……。
申し訳御座いませんでした。

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