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「ねえカイル、今日何の日か知ってる?」
唐突なリアラの問いに、カイルは目を丸くした
「えっ!?今日?」
頭を抱えてしばらく唸った
「あ、もしかしてリアラの誕生日!?ごめん、俺何にも用意してないよ!」
「ふふ、違うわよ カイル」
慌てるカイルにリアラは笑いかけ、背後に忍ばせていた小さな箱を差し出した
「今日はバレンタインデーじゃない、はい 私からカイルに」
「え?俺に!?俺がもらっていいの!?」
「当然じゃない!」
「わあ〜!ありがとう、リアラ!」
「ふふ、お返し 期待してるわね」
幸せそうに笑う2人からほわほわと漂う桃色のオーラをびしびしと感じる
カイルの手の中にある小さな箱を、物欲しそうにロニが見つめるのをさっきからナナリーがちらちらと何度も盗み見ている
ハロルドはがたり、と音を立てて立ち上がった
(アホらし)
その聖女の笑顔に、思い切り『義理』だと書かれているような気がした
ちらり、と盗み見たのは仮面の彼
盗み見たつもりなのにちょうど視線が絡み、ハロルドは跳ねるように首を反らして急ぎ足でその場を去った
彼女の私室のテーブルの上には、小さな桃色の箱がある
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