TOD2
□はじけたキモチ
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苦しい、と呼吸もろくにできないキスにハロルドが浅い呼吸に眉を顰めると
ジューダスがもう一度押し付けるようなキスをして、その唇を離した
ようやく吸い込める酸素にハロルドは咳き込みつつ、ジューダスを訝しげに見つめる
頭の回路のどっかがいかれてしまったのだろうか
どうしてこんな事を、しかも自分に?
理解しがたい状況にハロルドの脳内は混乱するばかりであった
掴まれた手首が、痛い
あんな細い手のどこに、こんな力があったのだろうか
驚く間もなくまた唇が塞がれた
嗚呼、苦しい
体中が麻痺するような甘いキスに、思考回路が上手く繋がらない
翻弄されてしまっているのか、自分の手首を掴んでいたはずの手が、指が
自分の髪を耳を首を弄った
その細い指が体に触れる度に、ぴくりと体が跳ねた
ただのキスだ、ただの接触だ
なのにどうしてこんなに体が熱くなるんだろう
「ハロルド」
名を呼ばれ、彼の目を見て
吸い込まれそうになって
綺麗な瞳に何も言い返せなくて
ただ無力に睨む事しかできなかった