TOD2

はじけたキモチ
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ノックも、自分の名前も告げずにドアが開かれてハロルドは眉間に皺を寄せた

レディの部屋に勝手に入り込むなんて失礼ね、と思いつつ実験の途中だったのでまあさほど気にしなかった










かつかつと音を立てて自分の元へ向かって歩く足音に、渋々研究の手を止めて振り返る


するとそこには見知った黒がいた










「ジューダス、何か用?」









せっかく新しい薬ができそうだという手前で邪魔をされたハロルドは

半眼でジューダスを睨みつけるがどうやらいつもと様子が違う










「ジューダス?」








おーい、と目の前でひらひらと手を振っても反応がない

ただ、追い詰められたとでもいうのだろうか 切羽詰ったような顔で椅子に座っているハロルドを見下ろしているだけだ










「おーい、ジューダ」










言い終わらないうちに、その言葉は閉ざされた

暴れないようにか両手首をがっちりと掴まれて、ハロルドの唇はジューダスと紡がれていた








そうだ、仮面を被っていないからいつもと違うように感じたのかもしれない









混乱している頭で妙に彼がおかしい原因がわかったハロルドは、しかしそれがわかった所でどうしようもなかった

幾度も幾度も押し付けるようなキスは、優しかったり強かったりした

呼吸の仕方に戸惑い、息を止めていたハロルドが酸素を欲しようと小さく口を開いた時


ジューダスの舌が遠慮無くその口内に忍び込んだ









歯列を舐め、舌を絡ませ 唇を舐め








妙に慣れたその深いキスに、少し嫌悪を感じつつも

ハロルドの感覚は徐々にそのキスに麻痺し、頭の中がくらりと思考回路を鈍らせる








どうしていきなりこんなこと?

何の利点があって何の目的があってこんなこと?







ふつふつと疑問は浮かんだが、それは脳内で検証される前にまたぞくぞくと体中を痺れるようなキスに中断されるのだ









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