TOD2

幸せの定義
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「大きな幸せが一年ごとにあるより、小さな幸せが毎日ある方が幸せなのよ」

「……それは、一理あるかもしれないわ」

「幸せの定義なんて人それぞれ違う、でも例えば今日は天気がいいとか、育てていた花が咲いたとか

そんな小さくてくだらないような事で幸せを感じられる方が、きっと幸せなんだと思う」









きっぱりとそう言い切って、そして幸せそうに笑う彼女に比例して自分の心はどこか苦しくなって

追い詰められているような気さえしてしまった






ぐ、と押し黙る自分に どうかした?と柔らかく心配を投げかける彼女のその優しさが、痛い










「紅茶、ごちそうさま」

「もう少しゆっくりしていったら?」

「用事があるの」








がたりと音を立てて立ち上がって、振り返らずに家を出た

飲みかけの紅茶からはまだ、仄かに湯気がたっていた













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