TOD2

ハロルド・ベルセリオスのジューダス生態調査
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「ジューダスもただの男の子だったってワケねえ」

椅子に深々と腰掛けて偉そうに足を組んでハロルドが楽しそうに口の端を歪めた

わざとなのかまだ下着姿のまま、そっぽを向くジューダスの頬を見てますますにやりと笑う




「五月蝿い、早く服を着ろ」

怒気を含んだその言葉に屈せずにハロルドはジューダスの顔を覗きこむと、

反らすその顔をさらに覗きこんだ




「なーに誤魔化しちゃって」

ムフ、と楽しそうに笑ったハロルドはジューダスの仮面に手を伸ばすとそれをさっと上に上げてはずした

「お、おい」

止めろ、とハロルドから仮面を奪い返そうとしてハロルドを直視してしまって、赤面





「うっわ、アンタ顔真っ赤よ?意外に純情なのね」

「五月蝿い五月蝿い、五月蝿い!」

「そう言いつつ、目が離せてないみたいだけど〜?」

「だから、離せと言っている!」





いやアンタ、さっきから言っていることちぐはぐなんだけど

まだ子供なのねえ、とハロルドが心の中でニヤリと笑った(そのニヤリは表情にもばっちり出ていたわけだが)







ハロルドが ていっと軽く仮面を投げ捨てるのをジューダスは目で追ってため息を吐く


壊れなかったのが唯一の救いだな、と思いつつ無意識に振り向くと、またハロルドのその白い肌が視界に入る






「あんたってまだ、おこちゃまだったのね」

「黙れ」

「顔真っ赤にさせちゃって」

「五月蝿い」






じり、ハロルドが近寄る





じり、ジューダスが退く







じり、じり、じり、じり





近寄る、退く、近寄る、退く





が、とジューダスの膝を何かが直撃した




嗚呼そうだ、この高さはベッド





尚もじりじりと迫り寄るハロルドに後退しようとしたら背後のベッドに倒れこんだ





ぼすん、と柔らかなベットに仰向けに倒れこんだジューダスの視界には天井と怪しい光を放つランプがうつって




しかしその視界はハロルドに遮られた






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